ロジャース、来日初安打が2点打 八回意地の一撃「3打席目からは調整でき始めた」
「阪神5-9広島」(18日、甲子園球場)
虎のパンダ初お披露目。そんな夜に無抵抗ではいられない。阪神・ロジャースが昇格即「3番・一塁」のスタメン出場で2打点の活躍。「本当に熱狂的なファンの前でプレーできるのは光栄なこと。一回から九回まで応援してくれるので、気持ちよかったし、うれしかった」。来日初安打が初適時打。デビュー戦で大歓声を浴びた。
執念の八回だった。ここまでチームは3安打無得点。それでも上本の押し出し死球で1点を返して迎えた第4打席。ここまで3打数無安打で、七回の守備で失策も記録していた助っ人に待望の快音が響いた。
カウント1ボールからの2球目だった。外角に逃げていくスライダーに食らいつくと、遊撃右を抜け、中前へ。走者2人が生還し、甲子園のスタンドからは大歓声が湧き起こった。
当面は2軍調整を続ける方針があった中での緊急昇格だった。右脇腹の筋挫傷で登録抹消になった糸井に代わって1軍へ。甲子園の室内練習場に現れると、練習前には久慈内野守備走塁コーチと言葉を交わした。
「企業秘密。英語の勉強だよ」。同コーチは詳細をオブラートに包んだが、初のデビュー戦へ向け、着実に準備を進めて行った。通訳なしで話した梅野は「片言だよ」とニヤリ。仲間からの歓迎を受け、ロジャースも笑顔だった。
デビュー戦を白星で飾ることはできなかった。それでも確かな手応えをつかんだ。「最初の2打席は打てる球が来なかったけど、3打席目からは調整でき始めた。4打席目に結果が出てよかった」。新戦力が生み出した一つの光。次こそ、チームの勝利に貢献してみせる。