西岡、九回に執念の一打!守護神引っ張り出した 今季初適時打も外野守備猛省
「阪神5-9広島」(18日、甲子園球場)
簡単には引き下がらない。阪神・西岡剛内野手(32)が九回、今季初打点となる中前適時打。9点ビハインドの展開から、守護神・今村を引っ張り出した執念の一打。糸井は右脇腹の筋挫傷で長期離脱が確実となったが、背番号5がその穴を埋める。8差を追う戦い。まだまだあきらめない。
諦めるわけにはいかない。やけどしそうなほど熱い勝利への執着心がこもった打球は、一気に中前へと抜けていった。最後の最後まであがく。西岡が九回に今季初適時打だ。
5点ビハインドで迎えた九回2死三塁。フルカウントからジャクソンの直球をコンパクトに捉えた。簡単には終われない-。その姿勢を西岡が結果で示した。
結果的には敗れた。今季初打点を記録したが、西岡は「そんなことより、二回の守備で試合を壊してしまったので」と猛省した。1死満塁から中堅前方に上がった石原の打球の目測を誤り、先制点を献上してしまった。
右脇腹の筋挫傷で離脱した糸井の代役中堅。これまで、2軍戦でも慣れない外野守備に持ち前の野球センスで適応してきた。記録は安打となったが、西岡は自らの非と位置付け、バットでミスを取り返そうと意気込んだ。三回には2死一塁から右中間へ二塁打をマークするなど、復帰後初のマルチ安打を記録した。
1軍に昇格するまでの約1カ月半、阪神・西岡は2軍戦でアピールを続けていた。6月13日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)でのこと。「他の若手と同じように」と全力プレーで実戦勘の回復に努めていた西岡だったが、必死になりすぎるあまり、打撃に狂いが生じた。
捉えることに意識を置きすぎると、自然と目とボールの距離が近くなり、バットの出がスムーズでなくなる。差し込まれ、2打席連続で左飛に倒れたその原因を掛布2軍監督は即座に見抜き、試合中に指摘した。
すると3打席目だ。見事に修正した西岡は右翼線へ二塁打を放った。試合後、西岡は「監督のおかげ」と感謝していた。冗談めかした口調だったが、指揮官へのリスペクトは本物だろう。ロッテ時代に自ら教えを請うたミスター・タイガースの1カ月半の指導が、活躍の大きな要因となっている。
金本監督は「中崎とか、ジャクソンとか引っ張り出して、ヒットも打てたし、点も取れたし」と敗戦にも打線を評価。背番号5の復活は、後半戦を戦う上で大きな希望の光となる。