ロジャース、来日1号から連発!七回には適時打、猛打ショー5打点!

 「ヤクルト1-11阪神」(21日、神宮球場)

 虎のパンダが痛烈な暑気払いだ。阪神の新外国人、ジェイソン・ロジャース内野手(29)が四回に来日初本塁打を放つと、六回にも2打席連続弾。七回の適時打を合わせて、2本塁打3安打5打点の大活躍で連敗を止めた。首位・広島が敗れて8ゲーム差。反攻の始まりや。

 割れんばかりの大歓声に、ロジャースは静かに笑みを浮かべた。ファンの声が届く“ヒーローの花道”を、心地よさそうに歩んだ。来日初アーチを含む3安打5打点の大暴れ。「愛称はパンダです」とインタビューで自己紹介した新助っ人は、素直に「うれしかった」と喜びをかみしめる。

 待望の一撃は1点リードの四回に飛び出した。1死二塁で迎えた第2打席。「前の打席で変化球を打ち損じて悔しかった」とブキャナンが投じた124キロのカーブを、待ってましたと言わんばかりにすくい上げた。

 打球は高々と舞い上がり、左中間席に着弾する1号2ラン。貴重な追加点をたたき出すと、続く六回の第3打席では追い込まれながらも高めの直球をバックスクリーンへたたき込んでみせた。

 七回2死二塁では、一度は本塁アウトと判定されたが、リプレー検証の末に左前打がタイムリーとなり「何回『パンダ!』って呼ばれたか分からないくらいダッグアウトで祝福してもらえた」。後半戦開幕の広島3連戦で糸井が右脇腹を負傷。打撃好調だった糸原も右膝を痛めて離脱した。そんな暗いムードを吹き飛ばし、ベンチも盛り上げたロジャース。ムードメーカーも買って出たのには、日本で名を残せなかった助っ人たちの失敗談があるからだ。

 6月末、日本に行く可能性が出てきた際、NPBでプレー経験のある外国人選手に印象を聞いた。その選手たちは志半ばで米国へ戻り、日本の野球ファンは名前すら覚えていないような助っ人。口をそろえて言われたのは「すべてを受け入れて、自然体でプレーすることが大切だよ」。飾らず、おごらず、素の自分をさらけ出す-。そして現実を受け入れる大切さを学んだ。

 チームへの自己紹介では積極的に愛称の「パンダ」を連呼した。常に笑顔を浮かべ、合流してわずか1週間足らずでチームの輪に溶け込んだ。2軍での再調整を命じられても、焦らず、黙々と調整に励んでいたロジャース。「アドバイスは効いてるよ」。成功談ではなく、屈辱の失敗談を学んだことがこの日の大活躍につながった。

 今季3戦3敗だったブキャナンを攻略した金本監督は「もう少しキレが出てくれば、本塁打も増えてくると思う」と助っ人の奮闘に目を細めた。覚え立ての日本語で「アリガトウ」と言った男が、首位・広島を追走する“起爆剤”になり得るかもしれない。

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