能見が遼馬が岩崎が…投手陣大乱調 燕打線に3人で7与四死球6失点
「ヤクルト6-2阪神」(22日、神宮球場)
三塁スタンドの前をゆっくりと歩いた。阪神ファンの怒号、悲鳴が容赦なく降り注ぐ。4回1/3を5安打4失点。先頭に与えた2四球はいずれも失点となった。少し悔いが…の問い掛けに、能見は「少しどころじゃない」と言葉を絞り出した。自責の5敗目を喫した。
「2回(先頭の走者を)出しているわけだから。やったらいけないこと」。初回、先頭の坂口にストレートの四球を与えた。仕切り直して2死二塁まで粘ったが、続く山田。143キロの直球が真ん中に甘く入った。左中間スタンドに2ランを被弾。先制点を許した。
さらに続く二回も先頭の飯原にストレートの四球。これをきっかけに西浦、坂口の適時打で2点を失った。今季、神宮では初登板。マウンドは「それは一緒」としたが、自身の状態について「自分の思った感覚と違う」と首をかしげた。球宴ブレークを挟んで、中13日で臨んだマウンド。ヤクルトの連敗を止める結果になった。
一度生まれた負の連鎖は止まらない。2点ビハインドの六回、1死一、二塁で岩崎が救援登板。代打・上田に四球を与えると、坂口の二ゴロを挟んで荒木に押し出し死球。痛恨の形で失点すると、続くバレンティンにも押し出し四球だ。試合後、問い掛けに声にならない声を絞り出した左腕。この日は失点が付かなかったが、苦しい投球内容が続いている。
「きょうは全部、四球ですね。岩崎はここ最近は失点が多い。ブルペンでもあまり良くないけど、状態を上げていってほしいですね」
香田投手コーチが苦言を呈せば、金本監督も怒気を含んで続けた。「四球がお互いに多かったけど。締まらない試合だった」。結果的に能見、松田、岩崎の3投手で7四死球を許した。敗戦につながったわずかな制球ミス。逆転優勝に向かう中で、最下位チーム相手に痛恨の1敗となった。