岩貞、奮投8回1失点9K 1軍ローテ生き残った
「阪神0-1DeNA」(25日、甲子園球場)
決死の覚悟で臨んだ一戦。結果次第で2軍行きの可能性もある中で、プレッシャーに打ち勝った。8回3安打1失点。土俵際に立たされていた阪神・岩貞が粘った。「だいたい(やろうとしていたことは)できていた」。それでも一発に泣いて7敗目を喫し、笑顔はなかった。
唯一の失点は0-0の七回。先頭の筒香に対する初球だった。目いっぱい腕を振り、141キロ直球を高めに投じたが、逆風を切り裂いた打球は右翼スタンドに着弾。マウンド上でぼう然と立ち尽くした。「長打はNGのところで、打たれてしまった。そういうところを突き詰めていかないと」。悪夢を振り返り、反省を口にした。
失点が目立っていた立ち上がりは完璧だった。三回まで無安打投球。その後もピンチをしっかりと防ぎ、粘りのある投球を続けた。金本監督は「ラストチャンスだったけど、今季一番いいように見えた。次もというか、いつもああいうピッチングをしてほしい。いいものは持ってるんだから、どんどん出してほしい」と評価し、ゲキを飛ばした。
首の皮一枚つないだ左腕。この登板前に藤川から金言を授かっていた。遠征先の練習で左つま先の前にペットボトルを置き、倒さないように投球動作を確認。身ぶり手ぶりの指導も受けた。「体重移動する時に体が反り返らないように。基本的なことだけど、自分では気付かなかった」と岩貞。縦振りのフォームを意識しすぎるがゆえにバランスを欠いていた。その後、2度ブルペンに入って調整するなど、足元を見つめ直した。
勝利はつかめなかったが、手応えはつかんだ。自信を持って次へ備える。次戦も奮闘して初めて、復活の道は開けてくる。