岩崎、逆転勝ち呼ぶ好救援 またいで七回も3人斬り
「広島3-4阪神」(2日、マツダスタジアム)
試合後は控えめに、勝利の余韻に浸った。○も●も付かない登板。1回1/3を無安打、3奪三振。中盤の踏ん張りが逆転勝利の流れを呼んだ。「勝つために一生懸命投げているので、勝ちにつながってよかった」。阪神・岩崎はバスに乗り込む直前、静かに笑みを浮かべた。
出番は2-2の六回だ。先発の小野が2死一、二塁のピンチを招いた。ここでベンチは継投を選択。岩崎が小走りでマウンドに上がった。対したのは1番・田中。直球主体の組み立てで、カウント2-2からの7球目。内角低めのスライダーを振らせた。
「丁寧に、しっかりと思って投げました」
相手打線の流れを断ち切ると、続く七回も平然とマウンドに上がった。打撃好調の菊池を見逃し三振に斬ると、丸はスライダーで空振り三振に。続く鈴木には変化球攻めでフォーク、スライダー、チェンジアップを駆使。最後は一ゴロに抑えて、仕事を完了させた。
7月に入って登板3試合連続失点と、苦しい投球が続いた。この間、変化を加えたのは投球テンポ。「捕手とも話し合いました」と、1球ごとの間合いを短くした。1球が勝負の行方を左右する中継ぎ稼業。必然的に間は長くなるが、投球にリズムを求めた。その分、心は「丁寧に…」と細心の注意を払った。
リリーフ転向元年。ここまで40試合の登板で、防御率1・69と好成績を残す。「中継ぎになっていいものが出ているから。先発タイプでしょうけど、よく頑張ってくれてますね」とは金本監督。殊勲はロジャースに譲った。目立たなくても、陰のヒーロは岩崎だった。