金本監督怒り爆発 背信KO岩貞を強制帰阪
「巨人6-1阪神」(8日、東京ドーム)
指揮官も堪忍袋の緒が切れた。6四球の大乱調で試合を壊した岩貞祐太投手(25)が試合中に強制帰阪を命じられた。金本知憲監督(49)が試合後に明かしたもので、9日には出場選手登録が抹消され、2軍で再調整することが決まった。チームの連勝は4でストップ。再び自力優勝の可能性が消滅し、広島に優勝マジックが点灯した。逆転優勝は厳しい状況だが、奇跡を信じ、勝利を目指すしかない。
巨人ファンの大歓声を遠くに聞きながら、ベンチ裏から敗戦の列が連なる。その中に、岩貞の姿がなかった。4連勝の勢いを持ち込みたかった伝統の一戦で、まさかの大乱調。期待が大きかった分、落胆の色も深くなる。首脳陣は4回6失点と覇気のなかった左腕に、試合中に強制帰阪を命じていた。
「抹消です。明日分かることですし」と金本監督。試合終了直後の会見では、淡々とした口調で登録抹消を明かしたものの、その裏では、怒りの決断を下していたもよう。試合中の強制送還は金本政権では初のことで、それだけ不満の残る投球内容だった。
序盤から乱れた。初回、いきなり先頭の陽岱鋼に四球を与えると、1死一、二塁から阿部に先制の適時打を許す。初回失点は2戦連続であり、今季16度目の登板にして9度目。さらに前回も先頭から四球を与えており、悪癖は改善されないままだ。
二回にソロ弾で失点すると、三回も立ち直れない。先頭からの四球をきっかけに、球団ワーストタイの1イニング5四球を記録して4失点。最後は小林を敬遠気味に歩かし2死満塁からマイコラスに、左前適時打を浴びた。金本監督も「(四球の多さは)見ての通りですね。(同じパターンが続くのも)まあ、見ての通りですよ」と話すしかない結果だった。
先週末はヤクルトを相手に、今季2度目の3連戦3連勝を決めて4連勝。ここから大型連勝といきたかったところだったが、自滅の形であまりに重い展開に。その上、相手が好調のマイコラスということで、打線も苦しんだ。この試合前まで9戦1勝5敗で対戦打率・197という右腕に、7回無得点に抑えられた。
せめてもの意地を見せたのは九回、2死からの3連打で1点を返して完封負けを阻止。「欲を言えば、マイコラスから1点取ってほしかったけどね」。暗いムードのまま終わらなかったことは救いだが、再び自力優勝の可能性が消滅し、首位・広島についに優勝マジック「33」が点灯。厳しい状況の中でも上を目指して戦う以上、同じような敗戦は繰り返せない。