メッセンジャー負傷降板 阿部の打球右足直撃…最悪抹消も
「巨人5-2阪神」(10日、東京ドーム)
用意された車いすを拒否した。エレベーターでの移動を勧められても首を横に振った。右足首にアイシングをしながら、ケンケンでドーム内の階段を上がり都内の病院へ向かった阪神・メッセンジャー。悪夢のような緊急降板に、その大きな背中からは怒りのオーラがにじみ出ていた。
2-2で迎えた七回、先頭の阿部が放った痛烈なライナーが右くるぶし付近を直撃した。その場で何度も跳びはね、激痛に顔をゆがめた右腕。すぐさまトレーナー、香田投手コーチが駆け寄り、ベンチに下がるとマウンドにはもう戻れなかった。
交代がコールされると、大きな悲鳴に包まれた東京ドーム。香田投手コーチは「病院に行っているけど、大事に至らないことを願うしかない」と言った。診断結果を見て、今後の措置は11日にも判断するが「ちょっときついかな…。明日の状況を見てだけど、考えないといけない」と同コーチ。登板間隔をあけるだけでなく、最悪の場合は登録抹消の可能性すらある。
この日、ウエスタン・広島戦で藤浪が好投したこともあり「詳しい内容はまだ見てないけど、結果もよかったみたいだし。選択肢の一つ」とローテ再編を示唆した香田コーチ。ただ、中5日で登板を刻み、安定した結果を残していた大黒柱の代わりはいない。金本監督が「そこが一番、心配」と語ったように秋山も離脱した今、メッセンジャーが軽症であることを祈るしかない。