西岡 アキレス腱断裂後…初盗塁「復帰して一番うれしい」 スピードスター復活
「中日1-8阪神」(19日、ナゴヤドーム)
ロッテ時代、何度も好機を演出した姿だった。安打を放って出塁し、次打者の初球にスチールを決める-。アキレス腱断裂の大けがから復活した阪神・西岡が、1軍復帰後初盗塁となる二盗を決めた。「復帰して一番、うれしいことですね」と喜びをかみしめた。
五回、先頭で迎えた第3打席。変化球をうまく左前に落とし、続く北條の初球に敢然とスタートを切った。加速するように二塁へ滑り込み、判定はセーフ。北條の送りバントで三塁へ進み、糸井のタイムリーで貴重な4点目のホームを踏んだ。
金本監督は「剛の足もだいぶ復活してきてね」と目を細める。復帰直後、思わぬアクシデントが背番号5を襲った。復帰戦となった7月17日の広島戦(甲子園)で右太ももに死球を受けて生じた内出血が、数日後、膝関節を圧迫した。
神経を刺激し、うまく膝を曲げられない状態に陥ったが、トレーナーには走れる姿を見せつけ、周囲にさとられないように振る舞った。「出してもらった以上は成績を出さないと。チーム内も競争が激しいので」。出場7試合連続安打は生存競争を勝ち抜くための強い決意の表れだ。
試合後、タイミングよく会見場の横を通り過ぎた西岡に聞こえるように、指揮官は「どうせすぐ疲れていなくなるだろうから(笑)」と声の音量を上げて言った。本人は苦笑いを浮かべたが…間違いなく全盛期の姿を取り戻しつつある。