金本監督解禁 ドリス、今季初イニングまたぎで3連続K
「中日2-3阪神」(20日、ナゴヤドーム)
阪神・金本監督が打った勝負の一手が完ぺきにはまった。セオリーを度外視し、我慢に我慢を重ねたドリスのイニングまたぎも解禁。これが延長戦6連勝を呼び込み「継投は結果だから。みんなよく頑張ってくれた」と6イニングをゼロでつないだ救援陣をたたえる。
勝負の場面は同点の延長十回だった。ゲレーロから始まる打順で、ベンチは迷いなくドリスを投入した。通常、ビジターゲームでは勝ち越した後に相手の攻撃を抑えるため、ストッパーは最後まで温存しておくのがセオリー。だがこの回がポイントとにらみ、あえて守護神を投入した。
ドリスは期待に応え、ゲレーロ、福田と一発がある打者をきっちり仕留めた。2死から松井佑に中前打を許したが、代打・高橋を落ち着いて打ち取った。直後に待望の勝ち越し点を奪取。そしてベンチは延長十一回、今季初めてドリスにイニングをまたがせた。
「今年初めてだったけど、香田コーチと相談しながらイニングと球数をしっかりチェックしながらやってきた。こういうときのために」と指揮官。今まで何度も我慢を重ねてきた。昨オフに右肘の手術を受けたことを考慮し、慎重に登板機会を見極めてきた。
香田コーチが登板一覧表を作り、厳密にルールを作成。勝負の9月をにらみ、無理使いを避けてきた。2イニング目もドリスの球威は衰えることなく、3連続Kで試合を締めた。「おかげで、いい感じでここまで来れている」とドリスは感謝の思いを口にする。
勝負の一手が見事なまでにはまり、かつて鬼門と呼ばれたナゴヤドームで4年ぶりの同一カード3連勝、そして勝ち越しを決めた。貯金を今季最多タイの12へ伸ばしたが、「まだタイでしょ?抜きたいね」と力を込めた指揮官。さらなる高みへ-。その壁を突破できるだけのチーム力が今、ついてきている。