中谷覚醒 2戦連発、チームトップ18号
「阪神9-2中日」(2日、甲子園球場)
大花火大会のフィナーレは阪神・中谷の豪快な一撃だ。8-2で迎えた八回。福の直球を狙い澄ましたように振り抜いた。けたたましい打球音が響き、白球は左中間席へ。前夜に続く2試合連続の18号ソロ。若武者が覚醒した。
「真っすぐに振り負けないように準備をしていました」
二回には先発・小熊の直球を捉え、左前打で出塁。坂本の一発で、悠々と2点目のホームを踏んだ。2試合連発に、2試合連続のマルチ安打で上昇の気配。それでも、試合後の青年に笑みはない。
「まだまだ全然です。ここでホッとしてはいけないと思います」
8月終盤は調子を落とし、31日・ヤクルト戦(甲子園)は9試合ぶりにスタメンを外れた。原因はバットを構える際の重心の位置。内角を意識するがあまり、体重がかかとにかかってしまっていた。
片岡打撃コーチは「そうなると、ステップした時に体が開いてしまう」と指摘する。つま先にパワーをため、思い切り踏み込んで強くたたく。成長するため、乗り越えなければいけない壁だ。
金本監督は「本当は本塁打する前の高めをパチッと捉えられるようになれば、彼の将来は明るいと思うんだけどね(笑)」と話す。伸びしろは無限大。飽くなき向上心が、中谷をさらに飛躍させる。