鳥谷サヨナラ打 2001安打目で延長戦制した

 「阪神2-1DeNA」(9日、甲子園球場)

 絵になる男は“2001安打目”も絵になる男だった。阪神が今季7度目のサヨナラ勝ち。決めたのは前夜に通算2000安打を達成した鳥谷敬内野手(36)だ。1-1で迎えた延長十二回、2死満塁。中前へ自身5年ぶりとなるサヨナラタイムリーを放った。5打席目まで無安打だったものの、最終6打席目に名球会打者の底力を見せつけた。

 2001歩目の歩みは劇的なフィナーレへと続いていた。歓喜に揺れる大甲子園を見渡し、鳥谷は勝利の喜びを虎党に届けた。「このたくさんの人の中で打てて良かったです」。今季7度目のサヨナラ勝ち。金字塔を打ち立てた翌日、背番号1は再び主役になった。

 「中谷が“敬遠”されたので、何とかサヨナラしたいなという思いで打席に立ちましたけど。正直ね、打てて良かったなと。ほっとしたのが一番です」

 1-1の延長十二回2死満塁。中谷が敬遠気味の四球で歩き、鳥谷がカクテル光線に照らされた。カウント1-1からの3球目。三嶋の変化球を振り抜くと、打球は中前へと転がった。仲間と劇勝の喜びを分かち合い、最後は金本監督とガッチリ握手を交わした。

 金本監督も「あの場面で打つことに価値があると思いますので」と最大級の賛辞を贈る。前夜は、通算2000安打を達成した鳥谷のメモリアルデー。この日の練習前、グラウンドに入ると仲間たちの様子が違った。選手、スタッフ全員が「TORITANI 2000 HITS」と描かれたTシャツを着用。そして、福留発案の趣向を凝らしたサプライズが待っていた。

 センター後方で組まれた円陣。一人だけ着ていなかった鳥谷に、同様のTシャツが手渡された。「知らなかった。ありがたいですよね。昨日(8日)、十分味わったところでこれだったので(笑)」。本人には内緒で計画されていた粋な演出。笑顔の花が咲いた。チーム全員の結束が、鳥谷を中心に深まった。

 「何とか2001本目がいい形で出て良かったです。個人的な目標はないですけど、やっぱりチームとしてまだまだ優勝を目指して、がんばっていきたいと思います」

 王者・広島に3連敗と沈んだ後、虎は力強く息を吹き返した。その中心にはプロ14年目、不屈の男がどっしりと構える。「今日勝てたので、何とか明日も勝てるように頑張ります」。諦めない。勝利への願いは、届く。

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