阪神、清宮プロ入り表明なら1位指名 進学なら即戦力左腕獲りへ
阪神が今秋ドラフトで早実・清宮幸太郎内野手(3年)がプロ志望届を提出後、プロ入りを表明した場合、1位指名する方針を固めていることが11日、分かった。高校通算111本塁打を放ったスラッガーに照準を定め、電鉄本社サイドも容認。仮に大学進学となった場合は補強ポイントとなっている先発型左腕の優先順位を上げる予定だ。
重要な戦力補強の場となるドラフト会議を1カ月半後に控え、虎の基本方針が固まった。1位は清宮-。球団幹部は「まず清宮君で考えていって、志望届を出さなかった場合はまたそこから考えていくことになる」と明かす。
高校1年の夏から甲子園を席巻し、大フィーバーを巻き起こした清宮。その後も順調に成長を続け、高校通算本塁打は新記録となる111本に到達した。超高校級のパワーとボールを遠くへ飛ばせる技術は、スカウト陣も高く評価する。U-18W杯では2本塁打を放つなど、木製バットを握っても飛距離が落ちないことを証明した。
さらに電鉄本社サイドが望む「華のある選手」という条件にもピッタリと当てはまる。地方大会で神宮球場を満員にできるほどのスター性、ファンが“どうしても見たい”と思える選手は、今年のドラフト候補の中でも清宮が群を抜いている。
チーム状況を見れば、25歳以下で中軸を任せられる可能性を秘めた左打者は高山、横田らの名前が挙がるが、いずれも外野手。戦力バランスや数年後のオーダーを想定すると、内野を守れる左の長距離砲は補強しなければならないポイントだ。
仮に清宮がプロ志望届を出さなかった場合は、先発型の左投手補強が基本線となる見通し。能見、岩田ら先発左腕の高齢化に加え、岩貞、横山らの伸び悩みが重なっており、同幹部は「チームを見れば分かると思いますが、左投手の補強は課題の一つ」と言う。
今年の都市対抗で2戦連続完封勝利をマークしたJR東日本・田嶋大樹に加え、秋季リーグ戦の結果次第では、明大・斉藤大将、亜大・高橋遥人らも候補に挙がってくる。また高校生捕手の獲得も検討しており、広陵・中村奨成も選択肢の中に入っている。
若手育成に力を注ぐ金本監督体制の中で、将来的に清宮、大山、中谷らが組む純国産クリーンアップはファンも望んでいる部分。セ・リーグを独走する広島のように、生え抜き選手中心の強いチームを作るために-。清宮の動向次第ではあるが、今秋のドラフトがその試金石となる。