安藤、涙の引退会見「肩の荷が下りた」 1軍登板なく決断、体力的衰えも
阪神・安藤優也投手(39)が15日、兵庫・西宮市内のホテルで引退会見を行った。涙を流し、言葉を詰まらせながら「一番はホッとしています。肩の荷が下りたというか。毎日、体の心配をしなくていいので」と率直な今の思いを告白。「(ファンの)声援が力になりました」と振り返った。
今季は1軍戦の出場機会に恵まれず、2軍戦では28試合に登板して防御率4・10。若手に助言を送るなど、投手最年長としての役割も果たしてきた。引退を決断した理由について、右腕は「体力的な衰えが、今年は結構あったというところで。年齢的なこともありましたし、今シーズンは一度も1軍で投げられなかったので。若い選手も出てきましたし、総合的に考えて決断しました」と説明した。
8月に入り、頭の片隅に「引退」の2文字がちらつくようになったという。熟考の末、9月12日に決断。金本監督にはねぎらいの言葉をもらい、同時に「もう限界か?」と、愛ある冗談交じりのメッセージを受け取った。
安藤は01年度のドラフト自由枠で入団。03年は中継ぎで51試合に登板し、セットアッパーとして防御率1・62。18年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。04年はアテネ五輪に出場して、銅メダルを獲得。05年には先発に転向し、11勝を挙げて2年ぶりとなるリーグ優勝の立役者になった。
その後は右肩の故障で苦しんだが、13年から中継ぎで4年連続50試合登板を記録。抜群の制球力を駆使した熟練の投球術で、一時代を築いた。プロ16年間の成績は485試合の登板で77勝66敗、11セーブ、76ホールド、防御率3・56。「小さい頃から甲子園に憧れて、その甲子園でプロ初勝利を挙げられて。甲子園が仕事場になったというのは夢のようでした」。猛虎を支え続けてきた男が、縦じまのユニホームを脱ぐ。