阪神・安藤【引退・一問一答(2)】1番の思い出は今年「考えさせられた」
阪神・安藤優也投手(39)が15日、兵庫・西宮市内のホテルで引退会見を行った。03年、05年のリーグ優勝に貢献するなど、16年間阪神一筋でプレーしてきたが、1番の思い出は1軍登板のなかった今年だと挙げ「自分の野球に対する考え方だったりとか、改めて感じたというか、考えさせられた」と振り返った。以下、一問一答の要旨。デイリースポーツでは(1)から(3)に分けて引退会見の模様を伝える。
-引退を決断するにあたって、迷いはなかったのか。
「8月から徐々に考えて、9月に入ってゆっくり考えて決断しましたので。その時はすごく迷いましたけど、現役でやれるっていう自信はどこかにはありましたけど、先ほども申し上げましたけど、総合的に判断して、ここが僕の引き際じゃないかと思いまして。今はすっきりしています」
-16年間で一番思い出に残っている、印象深い出来事は。
「本当にいろいろあるんですけど、いい思い出もありますし、悔しい思い出もありますけど…。強いて言うなら、今年1年ファームで過ごした1年間っていうのは、僕にとってすごく貴重な1年間だったと思いますし。若手と一緒に練習してきて、自分の野球に対する考え方だったりとか、改めて感じたというか、考えさせられた1年間だったので。戦力にはなれませんでしたけど、今年ファームで過ごした1年間っていうのは、僕にとっては思い出深い1年間になりました」
-去年までは1軍で数多く投げていた、その中で思い出に残っている年、ゲームは。
「いっぱいありますが、振り返ってみると、2003年…18年ぶりにタイガースが優勝して、その輪の中にいれたっていうのもありますし、2004年も先発として優勝の輪に入れたってこともありますし。2004年はアテネオリンピックにも出させてもらうっていうのも思い出ですし、2008年から3年連続で開幕投手をやらせてもらったっていうのも思い出ですし、本当にきりがないので。いい思い出もあったけど…その中でもいろいろ苦しいこともありましたけど、なんとか…乗り越えてやってきた。本当にいろいろなことがあった16年間でした」
-入団当初、16年間プレーすることはイメージできていた?
「もともと体が強い方ではなかったので、この年まで…40くらいの年まで、現役でプレーできるとは思っていなかったけど。本当に周りの皆さんに支えられて…本当に感謝したいです」
-改めて16年間を振り返ってください。
「もちろんいろいろ悔いはありますけど、100%の気持ちで引退することは、まずないですから。自分の中では、ほぼ悔いのない現役生活だった」
-優勝を経験していない後輩たちに伝えたいことは。
「優勝してからしか味わえないってことが、感動とか…。優勝して、2回優勝させてもらいましたけど、2回の優勝の経験があったから、ここまでこれたっていうのもありますんで。後輩たちには優勝してもらって、優勝という味を味わってもらって、これから強いタイガースを築いていってもらいたいなって思いもありますし。セ・リーグ優勝は2回経験させてもらいましたけど、日本一の目標は成し遂げられなかったので、後輩たちにはぜひ日本一になってもらいたいなって思います」
-引退後、やってみたいことは?
「12日に引退を正式に決断致しましたので、やってみたいことはまだ考えていないですけど、これからゆっくり時間はありますので、相談しながらゆっくり考えていきたいと思います」
-ファンにメッセージをお願いします。
「本当に16年間、たくさんのご声援ありがとうございました。時には叱咤激励、厳しい言葉もいただきましたけども、後輩たちにはなるべく厳しい言葉は我慢してもらって、温かい言葉をかけてあげてください。本当に16年間の長い間、ありがとうございました」
-甲子園のマウンドから見るライトスタンドはどういう光景だった?
「甲子園は他の球場と違う雰囲気があって、ファンが力をくれる球場だと思って。特に甲子園で投げる日はライトスタンドから力をもらいましたね」
-今、自分自身に何て言葉をかけたい?
「よくやった…ですかね」
-先ほどの涙には、どんな思いがこめられているのか。
「何の涙かはわからないですけど。ホッとした涙なのか、悔しい涙なのか、まだまだやりたかったのか…いろいろな感情があっての涙だと思う。一つでは表せないですね」
-大分、東京から関西へ。この甲子園という場所、関西という場所はどうだったか。
「関西には特に縁はなかったですけど、小さい頃から甲子園に憧れて、その甲子園でプロ初勝利も挙げられましたし、甲子園が仕事場になったっていうのは、本当に夢のようでした。本当に素晴らしい場所でした」