阪神・安藤【引退・一問一答(3)】「野球人生を変えた」03年日本Sのサヨナラ負け

涙ながらに会見する安藤=西宮市内
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 阪神・安藤優也投手(39)が15日、兵庫・西宮市内のホテルで引退会見を行った。「コントロールと度胸で16年間やってきた」と自身の武器を振り返りつつ、プロとして原点となったのは03年の日本シリーズでソフトバンクのズレータに浴びたサヨナラ打を挙げ「野球人生を変えた1球」と振り返った。以下、一問一答の要旨。デイリースポーツでは(1)から(3)に分けて引退会見の模様を伝える。

 (囲み取材になり)

 -どこかで、もう少しできたのかなという思いはあった?

 「今年は1年投げていないので、できたんじゃないかという思いはありましたけど。先ほども言いましたけど、体力面とかを考えた時に、今年は納得のいくボールが少なかったかなと思います。来季も現役でやっていく姿が、想像できなかったというのはあります」

 -甲子園の2軍戦で投げた時、ファンの声援がすごかった。まだ1軍で、という思いになったのではないか。

 「ああいう声援は僕たちの力になるので。あれを聞いた時は、まだいけるんじゃないかと思いましたけど。引退試合に思われているのかな、というのもありましたけどね(笑)。でも、いろいろ考えて総合的に判断して決めたので、今はスッキリしてしますね」

 -プロ生活16年、どのような武器がピッチングを支えていたか。

 「大したボールがあるわけでもないし、大した選手でもなかったんですけど。やっぱり、僕の一番の武器はコントロールだと思っているので。コントロールと度胸で16年間やってきたのかなという。その2つさえあれば、僕のような投手でもここまでできるのかなというところですかね」

 -中継ぎと先発、それぞれの思いは。

 「ちょうど半分くらいですかね。リリーフと先発と。8年、8年くらいだったと思うんですけど。それぞれいいところがあり、しんどいところがあり。どちらがいいというのはないんですけど、どちらも経験させてもらって。どちらでも優勝させてもらったので、それはすごくいい経験にもなりましたし、僕にとってはいい財産になったかなと思います」

 -今年ファームで過ごした1年は、若手と過ごした1年だった。

 「若手の投球練習を見てきて、僕もいろいろ勉強になったし。『こういうボールを投げるんだ』とか『こういう投げ方をするんだ』とか、本当に新しいものを発見できたし。貴重な1年間でした。若手と過ごせたというのは、逆に若手に感謝したいなと思います」

 -続けて。

 「ボール自体はいいボールを投げる後輩はいっぱいいますので、あとは経験でこれからどんどん成長していくと思うので。1軍の試合を見ていても、若くて生きのいい選手がいっぱいいますので。そういうのを見ると、もう僕の力は必要ないのかなと感じましたし。そこが引き際なのかな、と思いました」

 -思い出に残る試合、対戦は?

 「本当にいっぱいあって、なかなか『これを』というのは難しいんですけど。原点になっているのは2003年の日本シリーズ第1戦。リリーフで登板して3イニングを投げたんですけど、3イニング目にズレータ選手にサヨナラヒットを打たれて、負け投手になって…。僕が矢野さんのリードに首を振って、そのボールを打たれて。それが原点と言えば変ですけど、僕の野球人生を変えた1球だったのかなと思います」

 -悔しい、負けた時の思いが糧となる。

 「いい思い出というよりは、どちらかというと悪い思い出の方が記憶に残っていると思うので。僕だけではないと思うんですけどね。みんなそうなんじゃないかと思うんですけど。そういう苦い思い出とか、苦しい時の思い出をバネにしてやってきたタイプかなとは思いますね」

 -肩のケガもあった。

 「肩のケガをして、半年間くらい投げられなかったので。その時は、今思うとかなりしんどかったなと思うし。でも、なんとか這(は)い上がって復活できたので、それは本当の自信になったし。そういうことを後輩に伝えられたので。逆に、苦しい思い出がいい思い出になったかなと思いますね」

 -今の気持ちは。

 「引退を決断したばっかりなので、今はゆっくりしたいというのが本心ですし。今後のことは、これからゆっくり考えていきたいなとは思いますけど」

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