金本監督、異例の円陣で日本一大号令 V逸翌日…下克上に向け全員で仕切り直し

 阪神は19日、兵庫県西宮市の甲子園球場で全体練習を行った。V逸が決まった翌日ということもあり、練習開始前に金本知憲監督(49)が選手やスタッフらを集め、CSを勝ち抜いての日本一に向けて大号令を発した。まずは2位確保が最優先となるが、広島にリベンジを果たし、最後に笑う。

 広島の胴上げから一夜明けた甲子園に、指揮官のゲキが響く。午前中から行われた全体練習の開始前、外野にできた選手やスタッフらの輪の中で、金本監督が約1分、言葉を発した。優勝を逃しても、まだ日本一のチャンスはある。仕切り直して、次の目標へと気持ちを向けた。

 「(円陣に関して問われて)もう100%(優勝は)ないんだから。決まったんだから。次は2位に向けて。2位確保で、それを確保して、CSに向けてモチベーションを上げていこうということ(を話した)」

 今季131試合目でのV逸。悔しさは残るが、気持ちを切り替えて次に視線を向ける。シーズン中、こういった形で円陣を組んで話すのは珍しいが、それだけ今後の戦いが重要となる。まず最優先は2位の確保。CSを勝ち上がれば日本シリーズに進出できる可能性がある以上、そこを目指していく。

 「そこにチャンスがあるわけだから、残されてるわけだから。今まで、ロッテの3位から日本一が最高かな。そういうのもあるし、中日だって2位から1回、落合さんの時に日本一になってるし。そこを目指して、気持ちを切り替えてやっていかないと」

 狙うは「下克上」での日本一。可能性がある限り、頂点を狙うのは勝負師として当然だ。昨年は4位でCSに進出できなかったが、今季は違う。今の順位は昨年からのチームとしての成長があったからこそ。残り12試合、確実に挑戦権をつかめるように全力で戦う。

 この日は、甲子園での全体練習で、打撃練習などに取り組む選手の状態をじっくりと眺めてチェック。まずは20日、同じくCS進出を狙う巨人との対戦に集中する。

 「十分、CSから勝ち抜いて日本一になっても、十分価値のあるものだし」と金本監督。12年ぶりのリーグ優勝は逃しても、85年以来32年ぶりとなる日本一の可能性がある。広島へのリベンジ、その先に続く大きな夢。気持ちを一つにして、金本阪神が再スタートを切った。

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