金本虎、得点力が増えた理由…打率、安打数横ばいでも1試合残し昨季から77点増

 昨季とチーム打率、安打数がほとんど変わらない中で得点数がアップした阪神打線の要因に迫る。本塁打数がすでに21本も増えたことに加え、内野ゴロの間に三塁走者を生還させるなどのケース打撃が浸透。相手がエース級でも1点をもぎとる野球ができてきたことが、2位躍進の確かな原動力になった。

 明らかにしぶとさ、粘り強さが出てきた2017年の猛虎打線。チーム打撃成績をひもとくと、ある一つの事実が浮かび上がってくる。昨季と比較するとチーム得点数は1試合を残した時点ですでに77点も増加。本塁打数は増えたものの、その一方でチーム安打数、チーム打率はほぼ横ばいと言っていい。得点に直結する犠飛の数は減少している。

 なぜ得点力は上がったのか-。ペナントレースの戦いを振り返ると、“最低限の1点”が非常に多かった。1死三塁で内野ゴロを放って三塁走者を迎え入れる。試合序盤に作った無死満塁のチャンスで、相手がバックホーム態勢をあきらめる中、併殺打でも1点を挙げる。決して派手さはないが、主導権を呼び込み、その1点がボディーブローのように相手を追い詰めるゲームが何度もあった。

 片岡打撃コーチ「もちろん3ランとかいい本塁打が増えたこともあるけど、一番は監督が言っている状況判断が浸透してきたかな、というのはある。追い込まれて逆方向、何とかゴロを打つというね」

 5日の中日戦で挙げた決勝点も内野ゴロの間の1点だった。同点の七回1死満塁から俊介が追い込まれながらも、外角直球を一、二塁間へ流し打った。一塁・福田のグラブをはじく間に、三塁から大山が生還。執念の打席が実を結び、金本監督も試合後の会見でたたえた。

 金本監督「どんな形であれ、ちょっとぶさいくな打ち方でしたけど、ああいうのが大事というのは僕が言い続けてるし。2ストライク後でも頭にないボールが来たときに、反応してバットに当てて何とか1点を取るという。チームに浸透はしてるんですけど、早く(みんなが)できるようになってほしい」

 特に相手がエース級、もしくは手がつけられないほど絶好調のときに、いかにして点を奪うか-。タイムリーやホームランでなくとも土をつけることはできる。それを可能にするのが技術。最低限の1点を奪うために、各打者が変化を見せている部分があるという。

 片岡打撃コーチ「みんなボールを長く見られるようになった。スイングスピードが上がらないとボールは長く見られない。長く見ることによってボールの見極めが良くなり、逆方向への打球が増える。四球が増えて三振が減ったのもそう」

 昨秋キャンプからの徹底した振り込み、そしてトレーニングによる筋力アップの効果は、これらの数字が実証している。これからの短期決戦は1点が流れを変え、勝負を分ける。“最低限の1点”を積み重ねられれば、必ず日本一への道は開ける。

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