安藤「大した選手でもないのに…幸せ者です」新井とともに惜別胴上げ

ナインから胴上げされる安藤(撮影・持木克友)
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 「阪神6-1中日」(10日、甲子園球場)

 阪神が今季両リーグを通じての公式戦最終戦に勝利。CS第1ステージのDeNA戦(14日開幕、甲子園)に弾みをつけた。試合後には安藤優也投手(39)の引退セレモニーが行われた。

 マイクの前に立った安藤は、監督、選手、スタッフへの感謝の言葉とともに、「阪神園芸の皆さま、ありがとうございます」と甲子園のグラウンドを支えた裏方さんにも謝意を伝えた。

 続けて「阪神タイガースのファン、中日ドラゴンズのファンの皆さま、ありがとうございます」と発すると、「2017年、今季をもちまして、私、安藤優也は現役を引退します。2002年4月14日、小さいころからあこがれていた甲子園で初登板した感動は今でも鮮明に覚えてます。プロ初勝利も、きょうもこの甲子園。16年がたちました。いい思い出、悪い思い出も…あっという間の16年間でした。きょうまで自分なりに必死に全力で駆け抜けてきました」と現役生活を総括した。

 さらに、「子供のころから身体が弱くけがが多かった自分がまさか40の年まで現役でいられるとは夢にも思っていませんでした。大した能力もなく大した選手ではなかったが、すべてを出し切りました」と語った。

 安藤が入団後、阪神は2度のリーグ制覇と1度のクライマックスリーズ(CS)突破で日本シリーズへ3度出場したがいずれも日本一にはなれなかった。「現役生活にほぼ悔いはありません。しかし、一つだけ心残りがあります。それは3度の日本シリーズに出場しながら、一度も日本一になれませんでした。それが唯一の心残りです。日本一という名誉、日本一という目標を、今ここにいるチームメート、鳴尾浜で1軍を目指して必死に頑張っている後輩に託して、きょうユニホームを脱ぎたいと思います」と3日後にCSを迎える阪神ナインにメッセージを残した。

 そして、「あこがれの甲子園が仕事場となり、そのあこがれの甲子園で最後、ユニホームを脱げる。私は幸せ者です。最後にいいときも悪いときも変わらず支えてくれた家族、友人、ありがとう。そしていつも熱い、温かい声援で背中を押してくれた阪神ファンの皆さま、いろんな形でサポートしてくれた知人、チームの皆さま。この場を借りて感謝、お礼を申し上げます。私の長い野球人生をともに走っていただき、本当にありがとうございました。おかげさまで走り抜くことができました。阪神タイガースと日本一の阪神ファンが、これからもこの甲子園より野球界を盛り上げていくことを願い、またそれを確信し、感謝の気持ちとともに最後の言葉とさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。」とあいさつを締めた。

 その後、福留、藤川、鳥谷の重鎮3人から花束。そして2人の息子さんからも花束を受け取る時にはさすがに神妙な表情となった。

 あいさつを終えた安藤は一塁ベンチ前で金本監督、コーチ陣に握手や抱擁で別れを告げ、その中にはやはり今季限りで引退する新井良太の姿もあった。

 セレモニーの終盤では推定体重100キロ超の安藤の胴上げ、続いて新井良の胴上げも行われた。2人はその後フェンス際を歩きながらファンとの別れを丁寧に丁寧に惜しんだ。

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