ルーキー大山でCS突破!金本監督、大一番はCS男に託した

 甲子園でのCSファーストS第3戦は16日、雨天のために17日に順延となった。第3戦のDeNA先発が今季0勝2敗と苦手にしているウィーランドと予想される中、阪神の金本知憲監督(49)は打撃好調な大山悠輔内野手(22)に期待を掛けた。前日第2戦では本塁打&4安打をマークするなど、波に乗るラッキーボーイに天敵撃ちを託す。

 大山は、結んだ口をなかなか開こうとはしなかった。そして最後につぶやいたひと言。「頑張ります」。CSファイナルS進出をかけたDeNAとのラストゲームを前に発した短い言葉。チームに追い風を、勝利を。負けが許されない決戦へ、気合は十分だった。

 底知れない力に衝撃が走った、15日の第2戦。虎のルーキーでは初となるCSでの本塁打&猛打賞をマークし、さらにプロ野球史上初となるポストシーズンでの新人による1試合4安打と大暴れを演じた。金本監督も言う。「感じもよくなってきたし、大山は速い球に強いし、変化球もね。昨日、2本とも変化球打ったのかな。対応力もありますし」。難敵だった今永を攻略したルーキーの成長ぶりに目を細めた。

 1勝1敗で迎える大一番。DeNAの先発はウィーランドが予想される。今季阪神は助っ人右腕に対して2戦2敗で、対戦打率・170。今永に続き、これまた難敵が立ちはだかる。それでも思い返して欲しい。今永から本塁打を放つなど、ひとり躍動した男のことを…。指揮官は「(大一番と)感じてないんじゃないかな?目の前に必死で、これは大事な試合だなとかは多少思うぐらいで。鈍感なんじゃないかな」と好調な打撃を分析し、ウィーランド撃ちを期待した。

 この日甲子園の室内で汗を流した大山。マシン打撃を行うと、そのままフリー打撃へと向かう。アップ中に仲間と談笑していた笑顔は、一瞬で消えた。まなざしは力を宿し、真剣そのもの。守備練習を行うと、今度は個別練習がスタートした。久慈内野守備走塁コーチは「へたくそだからね」と笑って説明。植田とともに、ショートバウンドからの送球練習など、実戦を見据えた動作確認を何度も繰り返し行った。

 22歳の若き力が、大きな壁をぶちこわす。CSでの打率・556はチームトップ。2017年CSに、大山あり-。そう笑える日まで、歩みは止めない。必死に、必死に。まだその途中だ。

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