金本監督、選手よ胸張れ!CS敗退で終戦も「執念、粘り」でつかんだ2位
「セCSファーストS・第3戦、阪神1-6DeNA」(17日、甲子園球場)
阪神が大一番で完敗した。逆転日本一への夢は破れた。それでも金本知憲監督(49)は選手たちを褒めた。故障者が出ても、スタメンが固定されなくても、2位という結果を残した選手たちを「胸を張っていい」と称えた。来季へ向けた確かな手応えを得て、金本阪神2年目の戦いは幕を閉じた。
ため息が響く。秋風が身にしみる。王手をかけながらの悔やまれる連敗。下克上日本一の夢がついえた。悔しさは残るが、選手を責めるつもりはない。むしろ、その逆だ。金本監督はこのCSを含め、1年間の選手の働きを素直に称えた。
「今日で最後になったけど、今年は本当に、褒めてやりたいチームだと思ってますね、本当に」
この日の敗戦だけを見れば、初回の能見と、3番手・岩崎の3失点が大きく響いた。それでも「向こうの打線が良かったので。1年間、リリーフの踏ん張りというのは一番大きかったので。そこをとやかく責めるつもりはまったくないし」と話す。これまでも繰り返したように、投手陣の奮闘あっての2位だ。
「ケガ人も出たけど、先発も決まらない、いない中、スタメンも固定できない中で、2位になれたのは胸を張ってもいいことだと思うし、これはもう、みんなの野球に対する執念だとか粘りだとか、それで2位になれたと思ってるし」
昨年、就任1年目は64勝76敗3分けの借金「12」で4位に終わった。今季は伸び悩む若手もいた中、ベテランや中堅の奮闘もあり、最終的に78勝61敗4分けで貯金が「17」の2位。独特の雰囲気での戦いとなるCSの舞台も経験できた。これを来季の戦いに生かすしかない。
金本監督自身、今季で2年契約が終了となるが、7月には坂井オーナーから続投要請を受けている。球団側も近日中に複数年契約を提示した上で話し合いを行い、正式に来季以降の契約を結ぶ方向となっている。
試合後のミーティングで、指揮官は選手たちに「みんなのがんばりで2位になれた。ありがとう」と感謝した上で「明日から休む人、練習する人もいるけど、明日から来年に向けての戦いが始まる。明日から来年に向けてがんばりましょう」と語りかけたという。チームのレベルアップを感じ取れた2年目。これを糧に、優勝を目指す金本阪神3年目の戦いが始まる。