【金本阪神検証】なぜ助っ人は機能しなかったか
「検証・金本阪神3年目のVへ向けて」
18日に電鉄本社で行われたオーナー報告。その後の会見で金本監督は「外国人のバッターですかね。ほぼ日本人選手、国産で戦ってきましたから。もう少し打ってくれる選手がいたら…というのが、誤算と言えば誤算ですね」と言った。
外国人の不振-。これが首位・広島を追走できなかった大きな要因に挙げられる。昨オフに獲得したキャンベル、そしてシーズン途中に加入したロジャース。打線の軸として期待された中、いずれも結果を残すことはできなかった。
課題となったのが速球への対応力。「とにかく強く振れるか。振れないなら、マートンのようにミート力に秀でているか。どちらかがなければ速い球は難しい」と金本監督は頭を悩ませていた。
一般的な認識として、外国人打者は変化球に弱いというイメージがある。外角低めの変化球にバットが止まらず、三振数を重ねてしまう助っ人。だが、キャンベルとロジャースは逆だった。変化球への対応力を見せながらも、直球に差し込まれるシーンが目立った。
結果的に他球団から“弱点”を攻められ、調子を落としていった両者。周囲からは“慣れ”を指摘する声も上がったが、それは直球に強さを見せるも日本式の配球、変化球攻めに対応できない助っ人に限られる。
来日1年目で本塁打王に輝いた中日・ゲレーロは、2月のキャンプ段階から圧倒的なスイングスピードとパワーを誇示していた。開幕直後は変化球への対応に苦慮して数字が低迷したが、日本の野球に慣れてくると最終的に結果を残した。我慢が必要な選手か否か-。相手球団の攻め方や打席内容を見ていると、キャンベル、ロジャースは“振れる”バッターとは言えなかった。
さらにポジションを内野手に限定したことで、選択肢が狭まったのも事実。メジャーのロースターを見ていると、日本に活路を見い出しそうな28~33歳前後の選手が少ない。特に“右打ちの三塁手”といった形に条件を限定すると、どうしてもポジション優先になってしまい、打撃力を最優先に挙げての獲得は難しくなる。
そのため今オフはポジションなどの適性を一切、排除した上でフロントは指揮官の意見を聞きながら“打てる助っ人”のリストアップ作業を進めている。金本監督が指揮を執った2年間で、内外野の複数ポジションを守れる選手が増えてきた。守備位置をフィックスする前に、まず打てる選手を、打線の軸となれる大砲の獲得を目指す。