原口、逆襲弾 いばらの道来季一塁奪取へ「やるべきことやる」
「練習試合、阪神5-2巨人」(23日、生目の杜運動公園第2野球場)
阪神・原口文仁捕手(25)が23日、宮崎市で行われた巨人との練習試合に「6番・DH」で出場し、1本塁打を含む3打数3安打1打点と大暴れした。来季は一塁の定位置争いが激しさを増すのは確実。昨季のブレークから一転し、不振に終わった今季の悔しさを糧に、この秋から生き残りをかけたいばらの道を突き進む。
内角に入ってくる球をうまく捉えた。先頭で迎えた二回の第1打席。高田から左越えにソロを運んだ。「トップの形を作る準備がしっかりとできた」とうなずいた原口。2、3打席もそれぞれ左前打、右前打を放ち3安打。11月の秋季キャンプに向けて、最高のアピールとなった。
宮崎では試行錯誤の日々だ。20日まではより強いスイングを求め、トップの位置までの両腕の動きに柔軟性を出す打撃フォームに取り組んだ。これを21日の練習ではがっちりと固まった感じの、以前までの形に戻した。
この日も「今まで通りの打ち方」で試合に臨み、結果を残した。その意図を「トップの位置を早くしっかりと作って」と説明。両腕に余計な動きを加えたことが振り遅れの原因となっていたからだ。
2018年は原口にとって生き残りをかけた正念場のシーズンとなる。球団は現在、韓国・ハンファのロザリオら、強打の助っ人獲得を視野に入れている。それは来季優勝に大砲の存在が必要不可欠と考える、金本監督の強い希望でもある。
捕手登録ではあるが原口の主戦場は一塁。仮に一塁手のロザリオが入団すれば、さらに厳しい立場に置かれる。加えて球団は、26日のドラフト会議で早実・清宮の1位指名を明言している。クジで引き当て、超高校級の一塁手がタテジマに袖を通すとなれば、競争が熾烈(しれつ)をきわめるのは明らかだ。
金本監督からも奮起を促されている。「出てきてないよ。伸びてないよ。北條にしても、原口にしても」。昨季はそれなりの成績を残したが、2年以上続けて活躍することで初めて結果を出したと言える。「1軍で一回いい思いをしているわけだから。いい意味で“おいしい汁”を吸えるように頑張ってほしい」と独特の表現で期待を寄せる。
現状を打破し、ライバルたちに打ち勝つ-。原口は「自分のやるべきことをやらないといけないんで。(周りを)気にせず、できることをしっかりとやっていきたい」と力を込めた。努力の男が、目の色を変えて正念場を乗り越える。