1位は仙台大・馬場 最速155キロ、変化球も多彩「みちのくのドクターK」
「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日、東京都内で開かれ、阪神は3度目の競合で、仙台大・馬場皐輔(こうすけ)投手(22)を引き当てた。仙台六大学リーグで「みちのくのドクターK」の異名を取る右腕は即戦力として、金本監督の初優勝に貢献する意気込みを語った。
会見場に映し出されたドラフト会場のライブ映像を、馬場は固唾(かたず)をのんで見守った。金本監督がくじを引き当て、一斉にフラッシュがたかれると、自らの運命を、緊張気味に受け止めた。
「まさか1位で来るとは思っていなくて、びっくりしたのと安心したのと二つの気持ちです」。第一声を発すると、馬場はようやく安堵(あんど)の笑みを漏らした。3度目の競合で虎に手繰り寄せられた縁。「すごくファンの人も多くて、強いチーム」と阪神の率直なイメージを語った。
馬場皐輔。中央球界では無名の存在ながら、「みちのくのドクターK」の異名を取る。MAX155キロの直球に、スライダー、スプリットと多彩な変化球を操り、仙台六大学リーグでは今秋、37イニングで60奪三振をマーク。4年間でも計167回2/3を投げ、通算206奪三振を刻んだ。
「見ていただきたいのは、強気のピッチング。押すところは押して、かわすところはかわす。自分の色をしっかり出しながら成長していきたい」と自らの投球スタイルをアピールした。
師となる金本監督については「野球に対しとても情熱的で、自分も、そういった勝利にこだわる姿勢などを学びたいです」と馬場。そして、頼もしく言い切った。「1年目からしっかり1軍のマウンドに立って、チームの勝利にかかわれるようなピッチャーになりたい。1年目から優勝に大きく貢献できるようなピッチャーになりたい」。就任3年目となる金本監督を初Vに導くことを誓った。
仙台育英時代の3年春夏、背番号「10」で甲子園に出場。「また、あのマウンドに立てると思うとワクワクする」と瞳を輝かせた。特に3年夏には、同年春の覇者・浦和学院との一戦で救援投手として登板。11-10でサヨナラ勝ちし、記憶に残る激戦を制した。
阪神に3位指名された熊谷は高校時代の同期。「プロでも、お互いを高め合っていきたい。お互いにチームに貢献できるように頑張っていきたい」と、再びチームメートとなることを心から喜んだ。
仙台大から初のドラフト1位。会見後に「六甲おろし」が鳴り響く中、野球部のチームメートらから胴上げで祝福された。みちのくが生んだ剛腕が「虎のドクターK」になる。