矢野2軍監督、ダメなときほど声出せ!初采配9点差大敗も若虎の姿勢評価
「練習試合、阪神2-11ロッテ」(27日、アイビースタジアム)
阪神の矢野燿大新2軍監督(48)が27日、ロッテとの練習試合(アイビー)で初采配した。11-2で試合には敗れたものの、選手たちの積極的なプレー、試合中の声出しを評価。試合後のミーティングでは「ダメなときほど、声を出したり…そういう気持ちを持って」とさらなる意識付けを行った。
新体制で迎えた初陣は、9点差をつけられての大敗だった。それでも、矢野2軍監督の表情は穏やかだった。「途中まではノーヒットで、どうすんねん!!って思っていた」。笑いながら貧打に苦しんだ試合序盤を振り返ったが、そんな中でも若虎たちの確かな思いを感じ取っていた。
終わってみれば、チームの安打数はわずか4本。四死球なども含めた出塁数は9度。試合は終始、劣勢ムードだった。それでもベンチ内では自らを奮い立たせるような声が響いていた。「1軍でも声とか元気とかはバカにならないと思う」。その光景に、指揮官はホッとした表情を見せた。
九回、最後の攻撃では、相手の失策で出塁した4番・陽川が盗塁死。続く5番・原口も四球で出塁しながら、同じく盗塁死でアウトになった。でもこれは、生かせなかった出塁…ではないのだ。
「ほとんどのバッターが初球から打ったと思うけど、無謀と思われるかもしれないけど(盗塁で)走ったりとか。行けると感じたら、行けと言っている」
適時打を放った北條、高山はいずれも初球打ちだった。選手たちの前向きな姿勢、積極的なプレーを感じ取った。練習前には「失敗してもいいから、積極的な姿勢を見せてくれ」と伝えていた。失敗してもいい。そのプレー一つ一つが、敗戦の中に見えた光だった。
試合中盤から降り始めた雨は、しとしとと降り続く。試合終了後は、ベンチ内でミーティングが行われた。
「ダメなときほど、声を出したり…そういう気持ちを持って、がんばろうな」
育成の場、それがファーム。もがき苦しむ選手がいれば、1軍入りへ向けて結果を積み重ねる選手もいる。9点差のスタートでも、前を向こう。矢野新体制は、まだ始まったばかりだ。