揺れる大和…金本監督が熱血指導 FA前向きも「響くものはもちろんあります」
国内FA権の資格取得条件を満たしている阪神・大和内野手(29)が28日、秋季練習で金本知憲監督(49)から熱血打撃指導を受けた。本人は権利行使に前向きな姿勢を示しているが、残留を望む指揮官の気持ちも感じて「響くものはもちろんあります」と告白。揺れ動く心境、またレギュラー定着への並々ならぬ思いを語った。
大和の心に、金本監督の熱いメッセージが突き刺さった。プロ12年目、国内FA権行使も視野に入れる男への個別打撃レッスン。「響くものはもちろんあります」。野球人生最大の岐路に立つ今、虎に対する思いが脳裏を駆け巡る。練習後、偽らざる本音を語った。
「左打ちのきっかけをつくってくれたのは、金本監督ですし。監督を含めて12年間、ここでやれたというのは自分の財産なので…」
降雨のため、この日の秋季練習は甲子園の室内練習場で行われた。金本監督の熱血指導はフリー打撃中。大和と向かい合うと、熟練の技術を惜しみなく伝えた。「足の使い方。左でできていることが、右ではできていなかったから」。チームに必要な存在だからこそ、言葉にも力が入る。
「今年、スイッチ1年目でよくやってくれたと思うし。普通に1年間やるだけの体力と、あと少し打力がつけば文句なしのレギュラーですから。(FAでの流出は困る?)そらそうでしょう」
昨年10月の秋季練習で両打ちに本格的に取り組み始め、今季は100試合に出場し打率・280。球界屈指の守備力に加え、課題だった打撃もスイッチヒッターへの挑戦で進化を遂げた。FA権行使に傾く胸中には、野球選手としてさらなる可能性を見つけたいという思いがある。
大和は「それが全てではないですけど」と前置きした上で、「野球人として試合に出ることが一番」とレギュラー定着が最大の目標であることを明かした。だから一度、他球団からの評価を聞いてみたい。一方でタイガースに対する愛情も…。
球団は複数年契約、宣言残留を認める方針を示すなど全力で慰留に努める。金本監督の気持ちも同じだ。答えは簡単に見つからないが、指揮官の思いが決断に何らかの影響を及ぼすかもしれない。
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