金本監督 ドラ1~5位新人を1軍キャンプ抜てきへ 現有戦力への刺激も期待
阪神の金本知憲監督(49)は29日、ドラフトで即戦力として指名した大学・社会人の上位5選手を来年2月の1軍宜野座キャンプに抜てきする考えがあることを明かした。指揮官自ら選手の力量をチェックすると同時に、現有戦力へ刺激を与えることが大きな狙い。開幕1軍争いに入っていけるよう、プロの練習風景を動画撮影し、入寮前の新人選手に“プレゼント”するマル秘プランも披露した。
即戦力という期待を持って指名した選手だからこそ、金本監督は偽らざる思いを明かした。上位5選手の来春1軍キャンプ抜てきの可能性を問われると「まあ、人数を見ながらやね」と前置きしつつも「そうやね。見てみたいというのもあるし」と前向きな姿勢を示した。
特に大学生野手2人に関しては「足が速いからね。江越とか植田とか、刺激になるんじゃないか」と相乗効果も期待する。ルーキー5人全員のキャンプ1軍スタートも十分あり得る状況だ。
1位で指名した馬場(仙台大)、2位の高橋(亜大)は今季、頭数がそろわなかった先発ローテ争いに入っていけるだけの素質と潜在能力を秘めている。3位の熊谷(立大)、4位の島田(上武大)は現有戦力に少ないスピードを持ち味にした選手。5位・谷川(九州三菱自動車)は社会人日本代表に選出されるほどの実力と経験を持っており、投手陣の層を厚くするために必要なピースだ。
ただ、新人選手は慣れない環境でオーバーペースになりがちなため例年、首脳陣はコンディションに配慮してきた。その上で現有戦力と力の差を図るには、同じ状況、同じ環境でプレーさせて比較するのがベスト。たとえ新人といえども実力を周囲に見せつけることが1軍枠に入る必須条件だ。
「競争にしているからね、打撃力とか守備力とか。足が速いからと言って、全く打てない、守れない選手は使えない」と改めて方針を示した金本監督。キャンプで競争を激化させ、チーム力をアップさせる-。そのためにはフレッシュな選手が送り込む新たな風が必要になる。
さらに金本監督は自身が温めていた“マル秘プラン”も披露。これまでの経験から「全然、プロと違う」と練習量と質の違いを指摘。初体験となるプロのキャンプへイメージを膨らませるために「練習のビデオを見せてもいいんじゃないかな。だいたいこういう練習をやっているとか、連続ティーとかロングティーもね。トレーニングとか見せたらいいんじゃないかな」と提案する。
すべては来季、王者・広島のリーグ3連覇を阻止するだけのチーム力を育むために-。即戦力ルーキーの存在が、重要なスパイスになる。