片岡ヘッド 得点力向上へ秋季キャンプで1クール1度の実戦形式
阪神・片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ(48)が29日、秋季キャンプで1クールに1度、実戦形式の練習を取り入れる考えを明かした。狙いは「1点にこだわる野球」の浸透。失敗→反省→修正の反復練習で、さらなる得点力アップを狙っていく。
「秋は量が一番。その中で実戦もこなしていく。状況判断を養っていきたい。実戦でしかできない練習もある。今年もやっていく」
秋季キャンプは振り込みなど、基礎練習がメインになる。その中でも比重を置くのは、昨年同様に実戦、中でもケース打撃だ。例えば無死二、三塁で守備隊形が定位置なら二ゴロはOK。「ケースによっては、絶対に三振したらダメな場面がある」と重要性を説く。
今季の589得点は広島、DeNAに次ぐリーグ3位。昨季の506得点から大幅アップした。成長、考える野球の浸透に手応えを感じながら「全部が全部成功じゃない」と課題を挙げる。5月24日の巨人戦。無死三塁で中谷が浅い右飛に倒れ、指揮官はベンチを蹴って怒りを爆発させた。求めるのは徹底。片岡ヘッドは守備に置き換えても、ケース打撃練習の利点を説く。
「投げる投手にしても、ここは外野フライを打たせたくない、という配球をしないといけない。実戦でしかできない練習がある」
ケース打撃はリーグ連覇を果たした広島も重きを置く練習。さらなる得点力アップに勝機を見い出していく。「サインが出ない時でも考えてできるような、そういう状況判断を養っていきたいですよね」。体で、頭で、野球漬けの日々を送る。新ヘッドコーチはニヤリと笑った。「秋は、長いよ」。