金本監督 大和の人的補償に尾仲を即決
阪神は10日、FAでDeNAに移籍した大和内野手(30)の人的補償選手として、尾仲祐哉投手(22)の獲得を決めたことを発表した。前日に獲得可能な選手リストを受け取り、一夜明けての発表。この日、大阪市内のホテルでトークショーを行った金本知憲監督(49)は即決の理由として、150キロを超える直球と今後の伸びしろを挙げ、期待を寄せた。入団会見は後日行われる予定だ。
前日に獲得可能リストを受け取った中での即決には、確かな期待が込められていた。大和の人的補償選手として指名したのは、1年目の尾仲だった。球速の速さに加え、22歳という若さと将来性を、金本監督は高く評価した。
「(獲得の理由は)まだ伸びしろがあるから。年齢も若いし、調子がいい時は(直球も)150超えてるし。伸びしろという部分かな」
尾仲は今季、2軍では25試合で1勝0敗5セーブ、防御率1・38という好成績をマーク。1軍では11試合に登板して1勝1敗で、8月22日に筒香、ロペス、宮崎の3連発で広島にサヨナラ勝ちした試合でプロ初勝利を記録した。八回に田中から、九回には菊池、鈴木から三振を奪うなど2回無安打無失点。そのときの投球を、金本監督は映像で確認したという。
「いいボール投げてたよ、あの時も」と指揮官。事前に尾仲という選択肢を描いていたわけではない。DeNAからリストが届いてから「球団の編成の方が吟味して、推薦してきて。それで僕も確認して。『いいですね、おもしろいピッチャーですね』と」といった流れでの指名だったという。その中で光るものを感じ取った。
「まだ年齢的に若いから、今からでも先発をね、練習すれば。タイプ的には先発だと思うけどね、おれは」
今回の人的補償では、先発投手を優先する考えがあった。尾仲は今季、1、2軍のすべての登板がリリーフだったが、まだ来年の1月で23歳となる若武者だ。奪三振率も2軍では12・67、1軍では7・91を記録。三振を奪えるのは魅力であり、可能性を狭めることなく大きく育てたい。
「(掘り出し物に)なってくれればいいけどね。それも彼次第です」と金本監督。思わぬ形でつながった運命の糸。新たな金本チルドレンとして、大化けを願って育てていく。