タイガースロードできる 選手パネルなど計画 阪神甲子園駅と甲子園球場間を再開発
甲子園球場の最寄り駅である阪神甲子園駅・南側広場の再開発計画が進んでいることが19日、分かった。兵庫県西宮市は今年8月に同地区の都市再生整備計画を発表しており、電鉄本社の鉄道部門やレジャー部門などと球団が一体となって整備を進めていく方針。グッズショップなどが入った商業施設の建設や、球場までの道のりを選手の写真などで装飾した“タイガースロード”の設置など、さまざまな可能性を追求していく。
電車を降りて、球場正面まで続く約100メートルの道のり-。これから野球観戦に向かうファンの心をかき立てる風景が、早ければ2019年度にも阪神甲子園駅の南側に誕生するかもしれない。
今年8月に西宮市が同地区の再生整備計画を発表した。その中では野球開催時に10万人の乗降客が見込まれる同駅において、道路の歩きやすさや安全性、景観についての満足度は25%しかない(西宮市アンケート調べ)。魅力的かつ快適な歩行者ネットワークを確立することを目標に、阪神電鉄が基幹事業を担うことになっている。
計画では19年度までに商業施設の建設、広場の無電柱化、円形広場の創設に加え、西バスターミナルの改築や道路整備についても盛り込まれている。関係者は「商業施設は中にグッズショップが入るのか、レストランが入るのか。駅前も含めて、本社の鉄道部門、レジャー部門、球団と協議していくことになる」と明かした。
まだ検討段階だが「タイガースロード?そういうイメージですかね」と関係者が語るように、駅から球場までの道のりを選手の写真などで装飾するプランがある。一方、春夏の甲子園大会期間中は、限定で高校野球の展示を行うなど、さまざまな可能性が追求されている。
マツダスタジアムでは広島駅から球場へ向かう道路に選手紹介のパネルを設置し、チームカラーの赤をベースとして道路を装飾。ナゴヤドームも最寄りの地下鉄駅から球場への通路で、ファンの心を湧き立てるような工夫を凝らしている。
完成後の2024年には、節目の100周年を迎える甲子園球場。計画書では「にぎわいとうるおいのある新しい駅前空間の整備により、永続的な集いの場を創出する」とある。永遠に野球ファンの聖地であり続けるために-。球場周辺が生まれ変わる。