植田、YouTubeトレ 虎風荘の自室で走塁研究「けん制の戻り方とか」
阪神・植田海内野手(21)が21日、鳴尾浜の虎風荘の自室でも“走塁練習”に励んでいることを明かした。動画投稿サイト「ユーチューブ」を視聴し、走者目線で投手の癖を研究。1軍に定着し、目指すは二遊間のレギュラー奪取。持ち味の脚力を生かすべく、イメージトレーニングも欠かさない。
ベッドの上に寝転びながら、リラックスムードでスマートフォンに手を伸ばす。画面を開き、動画投稿サイト「ユーチューブ」のアプリをタップ。ここまでは最近の若者にありがちな行動だ。しかし、飛躍を目指す植田はひと味違う。気づけば目はマウンドの投手の動きにくぎ付け。虎風荘の自室が、まるで試合前のスコアラー室と化す。
「サッカーが好きなので、初めはサッカーを見て。そこから他のスポーツを見たりするんですけど、野球の動画が出てくるんですよ。試合の映像ですね」
チーム随一の走力を磨くことが1軍定着への近道。ならば、走り続けなければいけない。着眼点は「けん制の戻り方とかですね」と植田。自身が走者になったと仮定し、投手の動作を細かく観察。多種多様な投球モーションを頭に叩き込み、それがスタートを切る根拠に変わっていく。
今季は自己最多13試合に出場し、9月14日・巨人戦(甲子園)でプロ初盗塁を記録した。ウエスタンではリーグ2位の25盗塁と存在感を示した。俊足を生かした両打ちの打撃も成長が著しく、今季の1軍戦打率・278は手応えを感じる数字だ。走塁の技術がさらに向上すれば、レギュラー定着も決して夢ではない。
安芸での秋季キャンプでは、盗塁練習の際に金本監督から「蛇行しとったから。ベースに向かって真っすぐ走れ」と直々にアドバイスを受けた。グラウンドを走って学び、また一歩離れたところから観察眼を鍛える。虎屈指の韋駄天(いだてん)は、並々ならぬ決意で日々を過ごしている。
「シーズン中の方が(スコアラー室で)映像を見られますし、来季もしっかりやっていきたいと思います。継続していきます」
この日は、鳴尾浜の室内練習場でバットを振り込んだ。地道に進む一歩一歩が、進化への道につながっている。