岩貞、来季活躍で地元・熊本で球宴凱旋登板誓う 「参加できれば」被災地に夢を

 がんばろう熊本!阪神・岩貞祐太投手(26)が27日、熊本県庁で行われた「義援金贈呈式」に出席した。50万円を寄付した後、益城中学校に移動して熊本地震復興支援「野球ボール贈呈式」で軟式球93ダースを寄贈。小野泰輔副知事、さらには益城郡益城町内の子供たちから、来年7月14日に藤崎台県営野球場で開催される「マイナビオールスターゲーム2018」での“凱旋登板”を熱望された。

 久々に地元の風を感じ、岩貞は心を新たにした。熊本地震が発生してから1年8カ月。大好きな古里の土を踏み締め、復興への確かな足跡をたどった。「自分自身、ホッとした気持ちです」。しかし、まだ道半ば。懸命に前へ進もうとしている故郷は、左腕の大躍進に希望を感じている。

 岩貞は今季の開幕前、自身が描く復興支援プランを発表した。公式戦1勝につき10万円の義援金を贈り、1奪三振につき軟式ボール1ダースを寄贈。「苦しかった」と言う1年を終え、結果は5勝10敗で93奪三振だった。まず50万円を手に、熊本県庁へ。すると、贈呈式に出席した小野副知事から激励された。

 「ぜひ、錦を飾って凱旋していただいてね。そうすれば盛り上がると思いますよ」

 来年7月14日に予定されている「マイナビオールスターゲーム2018」の第2戦。舞台は、震災で甚大な被害を受けた藤崎台県営野球場だ。義援金を寄付した後、岩貞は軟式ボール93ダースを寄贈するために益城中学校へ。グラウンドには同校の野球部、さらに益城町内の少年野球3チームを合わせた約80人が笑顔で待っていた。

 「熊本で(球宴が)行われるというのは、特別な思いがあります。喜ばしいことで、それに参加できればもっといいものになると思います。(同球場も)高校の時、また小さい頃はプロ野球を見に行ったりしていました。特別な球場ですね」

 そのために、オフ期間の今はトレーニングに明け暮れる毎日だ。キャッチボールを欠かさず行い、またランニングの量も例年よりはるかに増やしている。

 「勝ち星、イニング、三振数もベストな数字を目指してやっていきます。第一はチームのため、自分のため、そして熊本のため。優勝して、いい報告ができるように頑張りたいです」。キャリアハイを成し遂げ、思い出のマウンドに立つ。その大きな背中に、被災地は勇気付けられる。

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