阪神の糸井嘉男外野手（３６）が、デイリースポーツの単独インタビューで新年の誓いを立てた。色紙につづったのは「奪」の一文字。１３年ぶりのリーグ王座“奪回”、個人タイトル“奪取”に強いこだわりを見せた。また昨季、独走を許した広島と「差」についても明かすなど、マジメな話題から一転、爆笑の未来図まで…。移籍２年目に向けた思いを存分に語り尽くした。まずは前編をどうぞ。

　－明けましておめでとうございます。

　「おめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

　－新年の誓いは。

　「まずは、みんなで優勝を目指したいですね。もちろんなんですけど、それには自分自身の活躍が必要になってくると思います。そのために自分の打撃、守備、盗塁…全部、ハイレベルに貢献できるようにしたい。それを一番に思ってオフを過ごしています」

　－色紙には今年の漢字として「奪」と書いた。チームとして優勝を「奪」う、個人としてタイトルを「奪」うということか。

　「です、ます、です！！」

　－契約更改後の会見でも、「スーパーな糸井をお見せする」と話していたが。

　「昨年は少しケガもあって、不安の中で始まったシーズンでした。今年はその不安をなくして、全力でシーズンに臨みたいので。まずは体のケアをして万全にしていました。そういう感じです」

　－優勝を誓う今季。昨年、初めてのセ・リーグで感じたポイントとは。

　「やっぱり打撃、守備はもちろんですが、走塁の部分で広島との差をかなり感じたシーズンでした。ここ一番での走塁というのを、しっかりと決めてくるので。もっと、もっと攻めないといけないのかなと思いますね、勝つためには」

　－積極走塁の重要性を感じている。

　「そうですね。昨年はその部分で、大事な試合を決める１点を取られたりしました。盗塁数もそうですが、やっぱり走塁ですよね。ここ一番の走塁を…僕が決めます！！」

　－個人だけでなく、チームに向けて発信したい思いもある。

　「それはありますね。アウトになってもいい…と言えば違うかもしれませんけど、もっともっと攻めないと、広島には勝っていけないのかなと思いますね」

　－昨季は開幕や節目で広島と対戦した。連覇を許しただけに、止めたい思いは強い。

　「そうですね。すごいいいチーム、というのは肌で感じたので。ああいうところを目指していかないといけない。気持ちで全てできるわけじゃないけど、やることをきちんとやって。個々のレベルを上げていけば、絶対に勝てると思います」

　－自身は日本ハム時代に２度、主力としてリーグ優勝を経験している。

　「どちらも…２００９年も１２年もうれしかったですね。また、チームがより一層、一つになれる感じがしました。だから優勝は、本当にめっちゃいいものなんです」

　－そのために必要なものが、走塁だと。

　「もちろん、全てでレベルアップが必要なんですけど。広島との差でいえば、そこかなと思います。それは強く感じています」

　－自身の昨季広島との対戦打率は・２９７。マツダスタジアムでは同・３６４と苦にしていない。

　「（投手との対戦でも）やっぱり強いなとは思いましたよ。マツダでの試合に関しては、もう全部真っ赤じゃないですか。（ファンに）のまれる感じがしましたから」