ドラ1馬場、今季の目標「吠える」から「初勝利」に訂正
阪神のドラフト1位・馬場皐輔投手(22)=仙台大=が3日、仙台育英の同級生で同3位の熊谷敬宥内野手(22)=立大=とともに仙台市内の公園で自主トレを公開した。今年の目標として、色紙にしたためた文字は、一度書き直して『初勝利』。大きな期待と重圧がかかる立場ではあるが、地に足をつけてプロ1年目のシーズンに臨む。
色紙に力強い文字で記した『初勝利』の文字。「できるだけ早く勝てればと思うので、本当は開幕1軍にいられればいいんですけど。でも甘くはないと思うので、自分のペースで」。大言壮語する必要はない。確実に一歩ずつ、スターへの階段を上っていく。
今年の目標、意気込みを最初は『吠える』と書いた。だが「変に飾らないで、いつもの自分で」と、すぐに『初勝利』に訂正した。それは今月上旬に入寮し、プロとしてのスタートを切ってからも大切にしていく思いだ。「いつもやってきたことから変に変えるとおかしくなるので」。自分を見失うことなく歩を進めていく。
ドラフト1位として入団し、背番号18を背負う。計り知れないプレッシャーがかかるが、あくまで冷静沈着だ。「1年目はまだ、自分のできることが限られてくる。熱くなるのはなしにして、自分の中で理想像を描きながら投げられれば」と、マイペースを貫く。
そんな新人離れした落ち着きを見せる一方で、燃える闘志も内に秘めている。「自分の基本として冷静に投げるっていう形でやるんですけど、もしピンチを迎えた時に気持ちを入れていかないと球にも伝わっていかない」。技術を超越し、気持ちが必要な場面では、それを前面に出していく覚悟だ。
一度は書いた『吠える』の文字。「三振を取ってほえられたらな、と」とはにかみ「それくらい熱くなれるくらい、自分の色を出し、チームに流れを持ってこられるようなピッチングを。熱のこもった投球ができたらなと思います」と力を込めた。
この日はキャッチボールなどで約2時間、体を動かした。年末までは仙台大の施設でトレーニングを積み、着々と準備を整えている。冷静さと熱い思い。魅力的な二面性を持つ馬場が、入寮の日を心待ちにしている。