マートン引退で心境激白 虎党に感謝「ファンの歓喜とパッションは忘れられない」

 阪神で6年間プレーし、シーズン最多安打のセ・リーグ記録を持つマット・マートン外野手(36)が現役を引退し、米大リーグ・カブスの編成部門補佐に就任することが13日、分かった。阪神入りした2010年には214安打を放ち、イチロー(オリックス)のプロ野球記録を塗り替える活躍を見せた一方、過激な言動などでも注目を集めた元助っ人。そんな日本での思い出や、阪神ファンへの感謝の気持ちをデイリースポーツに独白した。

 スマートフォンの向こうから聞こえる声が震えていた。猛虎の一員として過ごした6年間。デイリースポーツの単独取材に応じたマートンは「最も思い出に残っている瞬間は?」と問われると、しばらく黙り込んだ後、「二つあります」と言った。

 最初に挙げたのは、来日1年目の2010年3月26日、京セラドームで行われた横浜との開幕戦。試合前のセレモニーでベンチ前に整列した時だ。マートンにとっては日本での初めての公式戦。観客席を見渡しながら、故郷フロリダで野球を始めた少年時代から今に至るまでの野球人生を思い返したという。

 もう一つは14年10月18日、東京ドームで行われた巨人とのCSファイナルS第4戦。マートンが初回に先制3ランを放ち、9年ぶりの日本シリーズ進出を決めた試合だ。西岡と福留もホームランを打った場面を思い返しながら、「プレーオフ制になって初めての日本シリーズ。どんな形であってもチームの勝利に貢献できた時の気持ちは格別。あの時感じたファンの歓喜とパッションは忘れられないですね」と興奮気味に話した。

 個人記録では来日1年目にイチローを超えるシーズン214安打を放ち、プロ野球記録(当時)を樹立。首位打者1回、年間最多安打3回、通算1020安打は球団の歴代助っ人最多だ。

 しかし、マートンは「確かに個人記録は大きなことですが、チームで成し遂げたことには及ばない」と言い切る。「チームが勝つことでファンは笑顔になり、涙を流す。外野の守備に就いた僕に向かって見せる表情から伝わってくる感情は、言葉では説明できない特別なものだと思う」と熱く語った。

 現役引退が頭をよぎったのは昨年8月。大リーグ、タイガース傘下の3Aから戦力外通告を受けた後、メキシコやウインターリーグが開催される中南米でプレーすることも考えたが、ユニホームを脱ぐことを決意した。

 今後はカブスのフロント陣の一員としてチームの強化に尽力するマートン。「甲子園で週末に行われるデーゲームは最高でしたね。美しい青空に風船が打ち上げられ、大きな球団旗がはためいて…。あの光景は生涯忘れないです」。阪神での思い出は尽きることはない。

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