藤浪、ダル夫妻とカーショーから収穫大 初海外トレで技術&栄養面に自信
阪神の藤浪晋太郎投手(23)が23日、鳴尾浜でブルペンに入り、変化球を交えて33球を投げた。22日に初の海外自主トレを行っていた米国から帰国。現地ではダルビッシュ有投手(31)=ドジャースFA=から技術面に加えて栄養面の知識を、ド軍のエース左腕、クレイトン・カーショー投手(29)からカーブを教わった。2月7日の紅白戦登板に意欲を見せた藤浪が、勝負の1年を前に自信をのぞかせた。
腕を振る姿はとてもたくましかった。気合は十分。その表情は充実感でいっぱいだった。アメリカ帰りの藤浪が、鳴尾浜でいきなりのブルペン入り。パンッ、パンッと響き渡る気持ちのいい捕球音に、今年に懸ける思いが詰まっていた。
「まだまだできていない部分が多いけど、勉強してきたことをしっかりやっているつもりではいます。本当にいいオフを過ごしたと思っているので、そういう意味ではすごく楽しみですね」
海を越えて約2週間。米テキサス州を拠点にした初の海外自主トレは見るもの、聞くもの全てが新鮮だった。2年連続となったダルビッシュとの合体には、心強いパートナーも増員。野球の技術面に加えて、食事面でのサポートを受けた藤浪は、ダルビッシュの妻・山本聖子さんからも知識を得た。
トレーニング中の食事は基本的にダルビッシュの自宅で聖子さんの手料理。その何気ない日常生活にも、学びのヒントはたくさんあったという。「『タンパク、炭水化物多めとか、どういう工夫して作っているんですか』とか聖子さんにも聞きました」。いまだにトレーニングから栄養面まで自己管理する元レスリング世界女王からの“内助の功”を受けた。
ダルビッシュ夫妻からの知識に加えて、メジャー仕込みの変化球も習った。共に練習に励んだカーショーとの共有時間にも実りあり。メジャー通算144勝のエース左腕から習ったのは、その代名詞ともいえるカーブだ。
「聞いたら丁寧に返してくれました。彼ほどのカーブになるかといったら無理ですけど、いい感じでは投げられるんで。カーブ自体がよくなるというよりは、真っすぐにいい感覚が出てくるかなと」。リリースの感覚や力の配分、考え方…。メジャー最高クラスの投手からの教えに、自然と表情も和らいだ。
期待と信頼に応えていく-。その最初の舞台に、藤浪は照準を合わせた。狙うは2月7日の紅白戦マウンド。「準備していきたい。心身共にすごくいい状態で、充実している」。笑顔の裏には、異国の地での収穫がある。自信を取り戻す戦いへ。帰ってきた藤浪の表情に覚悟が宿った。