ロサリオ「一番大事なのはホームラン」 新4番候補来日 V奪回へ「1本でも多く」
阪神に新加入したウィリン・ロサリオ内野手(28)=前韓国・ハンファ=が28日、関西空港着の航空機で来日し、兵庫県西宮市内の球団事務所で入団会見を行った。メジャー通算71発、韓国で2年連続3割30本100打点をクリアしたスラッガーは、新天地で本塁打にこだわる姿勢を示した。状況に応じた打撃を念頭に置いた上で、30発、40発と目標を定めず、1本でも多くのアーチを量産する考えだ。
言葉の端々からスラッガーとしてのプライドがにじみ出ていた。打率、打点、本塁打-。打撃主要3部門の中でどれを大事にするかという質問に、ロサリオは迷いなく答えた。「一番大事なのはホームラン。1回で確実に点が入るから。そこを意識してやりたい」。そう語った表情は確かな自信に満ちていた。
メジャー通算71発、昨年の韓国プロ野球のオールスターで行われた本塁打競争では、ソフトバンクにも在籍した李大浩に勝ち、チャンピオンに輝いた。圧倒的なパワーとボールを飛ばす技術は間違いなく折り紙付きだ。
その上で具体的な個人目標は明かさなかった。その理由として「30発、40発という目標を設定すれば、それを達成したことに満足してしまう。1本でも多く打ちたいと思っているし、チームが勝つためには1本でも1打点でも多く必要だから」と自らの信念を明かしたロサリオ。あくまでもチームの勝利に貢献するためだけに、自らのバットを振り抜く考えだ。
こだわりのある本塁打以外にも「犠牲フライや進塁打、外野が長打警戒であればその前に落とすというバッティングも必要。それは状況に応じてやっていきたい」。韓国時代は積極的にケース打撃に取り組んだ。金本監督も映像で確認しており「僕の好きなタイプ」と獲得に動く大きな要因にもなった。
決して個人成績だけに走ることなく、チームの勝利を最優先に考えられる新助っ人。「打順は監督から言われたところで全力を尽くす」と語ったが、チームの士気を左右する4番に座るだけの資質を、間違いなく兼ね備えている。
正式契約時に球団から体を絞るように指示を受けたことにも、毎日3~4時間の走り込みとトレーニングにより体重を103キロまで絞って来日。昨季最終戦は105キロだったそうで「これから増やすかどうか状況を見て判断したい」と言う。
王者・広島の壁を乗り越え、13年ぶりのV奪回へ欠かせない長打力のアップ、そして不動の4番の存在感-。その期待に応えるだけの自信と風格が、ロサリオにはある。