ドラ1馬場、変化球で魅了 金本監督スプリット絶賛「メッセのフォークに似てる」
「阪神春季キャンプ」(8日、宜野座)
阪神のドラフト1位・馬場皐輔投手(22)=仙台大=が第2クール最終日の8日、今キャンプ4度目のブルペン投球を行った。直球に加え、縦横のスライダー、スプリットを交えて計56球を披露し、ネット裏で見守った金本監督からは変化球を絶賛された。第3クールには打者相手に登板し、第4クールには実戦形式のマウンドに上がる予定。黄金ルーキーが徐々に本領を発揮し始めた。
最高気温16度と温暖な気候に恵まれた宜野座のブルペンに、熱い視線が注がれた。キャンプ4度目のブルペン入りとなった馬場は、表情やリズムを崩すことなく淡々と投げ込んだ。
セットポジションから左足を上げ、しっかりと体重を乗せてから右腕を振り切る。直球に加え縦横のスライダー、スプリットを計56球。力強い球が次々と原口のミットに突き刺さった。「少しずつ良くなってきた」と納得の表情を浮かべた。
捕手の真後ろから見つめた金本監督は変化球の精度を絶賛した。「変化球がいい。(スプリットは)メッセのフォークに似ているね。スーッと沈んでいく感じ」と目を細めた。
原口も同様の評価だった。「しっかり自分でコントロールできている」と能力の高さを確認した。
周囲の高評価とは対照的に、右腕は淡々と課題を口にした。「まだまだ全然レベルが低いので、もう少ししっかり投げられるようにしたい」。決して満足はしていない。冷静に先輩らの投球と見比べながら、力不足を痛感している。
一方で初日から徐々に状態も上がってきているのは事実。4度のブルペンで計194球を投げた。「自分の中でリズムをつかめているというのが分かるので、まだまだ改善するところはいっぱいある。まだプロの体ではないので、ちゃんと段階を踏んで努力していかないといけないと思います」と力を込めた。
順調に調整が進めば第3クールに打者を相手に登板し、第4クールには実戦形式のマウンドに上がる予定だ。「与えられたところで、投げる時には自分の投球を出していく。しっかりと投げるということに基準を置いてやりたい」。マイペースで着実に進歩していく。