福留、仙さん追悼試合への出場志願 恩師に感謝の思い「道を作ってくれた」

 阪神の福留孝介外野手(40)が、今年1月に急逝した星野仙一元監督の追悼試合となる中日戦(10日・甲子園)への出場を志願したことが8日、明らかになった。片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ(48)が当初の予定を前倒しして出場することを明言。中日時代、プロ入り直後にすべての道筋を立ててくれた恩師へ感謝の気持ちを込め、背番号8が聖地の打席に立つ。

 恩師への思いが福留の心にあふれていた。どうしてもグラウンドに立ち、感謝の気持ちを込めてプレーしたかった。闘将の追悼試合となる10日・中日戦。片岡ヘッド兼打撃コーチは「本人の方から『出たい』というのがあった。今いる選手の中で、直接、お世話になった方だから」と明かす。

 当初は糸井とともに13日からのヤクルト2連戦でオープン戦初出場し、開幕まで仕上げていくプランだった。だが福留から申し出があり、同ヘッドも「すごくいいことやと思う」と快諾。DHになるか守備に就くかは当日の状態と天候などによって判断されるが、福留自身は「何打席になるか分からないですけど、やっぱり今まで育ててもらったという感謝の気持ちを込めながら臨めればと思います」と力を込める。

 プロ入り1年目の1999年、中日の指揮を執っていた恩師は積極的にゲームに起用してくれた。たとえミスがあっても、我慢強く信じて使ってくれた。「この世界に入るすべての道を作ってくれた。きっかけもすべて与えてくれましたし、星野さんがいなければ僕がこの世界でやることはなかった。僕の中ではすごく大きい存在だと思っています」と背番号8は偽らざる心境を明かす。

 中日時代に一流選手の称号をほしいままにし、メジャーリーグにも挑戦。阪神に移籍後も中軸として安定した成績を残し、不惑の40歳を超えた今でもその存在感は衰えを感じさせない。そのすべての礎を築いてくれたのが星野元監督だった-。だからこそ「そういうゲームで、少しでも、というのもあるので」と予定を前倒しして出場を志願した。

 キャンプ終了後はオープン戦メンバーから外れ、打ち込みを行うなどじっくりと調整してきた。7日のDeNA戦ではベンチから試合を観戦し、ゲーム勘を養うなど準備を進めてきた。今年のオープン戦初陣となる追悼試合。福留は恩師へ感謝の気持ちを込め、バットを振り抜く。

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