伊藤隼太、代打で終わらん 則本撃ち1号!スタメン起用に応えた4安打3打点

 「オープン戦、楽天4-12阪神」(16日、草薙総合運動場野球場)

 阪神が楽天のエース・則本を攻略した。6回で9安打4点を奪い、終わってみれば20安打12点の大勝。打線をけん引したのは伊藤隼太外野手(28)だ。六回に則本からオープン戦1号ソロ。七回には2点打を放つなど、4安打3打点の大当たりだ。オープン戦打率・600と絶好調。代打で満足するつもりはない。レギュラー奪取へ猛アピールした。

 快音を残した打球は力強く右翼ポールに直撃した。日本球界屈指の好投手・則本が投じた内角高めの直球を、一振りで仕留めた伊藤隼。代打屋では決して終わらない-。スタメン起用に応え、プロ野球選手としての“意地”を示した4安打で、背番号51が新たな可能性を切り開いた。

 1点を返された直後の六回、1死走者なしで迎えた第3打席だった。「カウントも浅かったので」と狙い球を直球一本に絞り、インハイに来た144キロを完ぺきに仕留めた。

 会心の一発で打線に勢いを生み出すと、続く七回無死二、三塁の第4打席では、2ストライクからボール気味の高め直球をはじき返して右前2点打。八回の第5打席では、追い込まれながらも楽天のセットアッパー・福山の内角直球を右前に運んだが「簡単に追い込まれてはいけない。あとの対応はよかったですけど」と課題を口にする。

 それだけ1打席、1打席に焦点を当て、打席内容を振り返る伊藤隼。その姿勢は昨季、代打を生業としたことで身に付いたポリシーだ。片岡ヘッド兼打撃コーチは「打席に入る前の準備だったり、バッティング練習の姿勢だったりね。キャンプ中からいい報告を受けていた」と明かす。

 昨季、たった1打席しか与えられない状況で結果を積み重ねた。「去年、やってきたものがあるから1打席、1打席、1球、1球に集中してやっていきたいと思います」。代打という厳しい役割を経験したからこそ、バッターとして一回り大きくなった姿がある。

 片岡ヘッドは「代打に限らずスタメンもあるよというのを見せてくれた」と目を細めた。則本に始まり、楽天の勝ちパターンで登板する投手から放った4安打で、オープン戦の打率は・600に到達。首脳陣が再び先発で起用してみたいと思うのは自然な流れだ。

 金本監督は「速い真っすぐに振り負けないという、うちのチームに足りないものを持っている」と評価した。伊藤隼本人も「もちろん。そのつもりはないので」と代打で終わるつもりはない。4打席で勝負できる居場所を目指し、ひたすら結果を積み重ねる。

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