大山、希望の光OP戦1号締め 虎6年ぶり最下位もなんの 開幕菅野撃ち頼んだぞ
「オープン戦、オリックス1-1阪神」(25日、京セラドーム大阪)
阪神は大山悠輔内野手(23)のバットが希望の光だ。1点を追う八回、中越えにオープン戦1号ソロを放ち、チームの零封負けを阻止した。試合は散発2安打で勝ち切れず、2勝12敗2分けでオープン戦全日程を終了。6年ぶり最下位に沈んだが、オープン戦順位は関係ない。4日間でしっかりコンディションを整え、3・30開幕戦では難敵菅野を攻略してくれ!
144キロの直球に、タイミングがピタリと合った。無駄のないスイングから放たれた打球は、中堅フェンスを軽く越える。爽快な一撃。オープン戦チーム打率・225と貧打にあえいだ打線に、虎の背番号3が希望の光をともした。
1点ビハインドの八回、1死無走者で迎えた第3打席。1ストライクからの2球目、小林が投じた外寄り直球をガツン。同点ソロでチームのオープン戦5連敗を阻止した。
攻撃陣の不調が目立った3月の戦い。大山も同様で、この日の試合前まで50打数10安打の打率・200、0本塁打4打点。だが、最終戦を締めくくった一発が、シーズンに向けて虎党に大きな期待を抱かせた。
試合後の駐車場。「今日は1本出ましたけど、それまでがひどかったので」と笑みはない。ふがいなかった自分自身へのもどかしさがあふれ出た。「悪いなら悪いなりのバッティングをしないといけない」。不調時でも工夫を凝らして安打を、四球をもぎ取る姿勢。打席での“執念”を本番では見せていく考えだ。
本人に満足感はないが、前日24日のオリックス戦でも右前適時打を放つなど、調子は徐々に上向いている。19日に横浜スタジアムで行われた指名練習では、一風変わった打撃練習で状態を上げようと努めていた。
片岡ヘッド兼打撃コーチが投げる100キロ程度のスローボールを、確実にミートしてはじき返す。「ボールを見る間をね」と説明した同ヘッド。実戦では速球に対応するため、打撃の間がなくなりがちだ。「こういう(練習の)時にボールを長く見て」と、正しい形を思い起こさせる狙いがあった。
金本監督は「速いストレートを捉えたからね。まずはそこからですね」と評価。「チームにとっても、彼にとっても良かったでしょう」と今後に期待を込めた。「一試合一試合、全力でやりたい」と2年目のシーズン開幕を前に闘志を燃やした大山。若き大砲候補の飛躍がそのまま、チームの浮上にもつながっていく。