金本監督、藤浪続投「迷った」4点差逆転負けに「ミスと言われても…」

 「巨人8-4阪神」(31日、東京ドーム)

 宿敵巨人を相手に開幕連勝…という虎党の淡い期待は夢と消えた。打線が三回までに4点を先行しながら、逆転負けを喫した。阪神・藤浪晋太郎投手(23)が六回に無死満塁のピンチを招いて降板。その後に同点とされ、七回には勝ち越された。金本知憲監督(49)は藤浪の代え時に迷いがあったことを明かした上で「判断ミスと言われても仕方がない」と振り返った。

 最大4点差のリードからの痛い逆転負けだ。勝ちきれるかに思われた流れの中に、分岐点は確かにあった。「兆し」を感じさせた投球、藤浪への大きな期待…。いくつかの思いが重なり、ベンチに迷いも生じての続投。それだけに、金本監督は藤浪を責めなかった。

 「(代え時は)本当に迷ったんだけど、あの回(六回)に崩れたわけですからね。判断ミスと言われても仕方がないと思うし」

 藤浪が崩れたのは六回だった。先頭の岡本に左前打を許すと、長野と小林に連続四球を与えて無死満塁となり、代打・阿部を迎えたところで降板。その後同点に追い付かれ、七回に勝ち越された。

 金本監督は「難しかったね、代え時が、本当に。何とかしのいだりとか五回が良かっただけに…かなり迷ったけど」と振り返る。藤浪は初回に157キロを記録するなど、五回を終えて球数93球で5安打3四球2失点。六回はそこまで2安打の岡本からだったが、続投を決めた一つに、五回の投球内容があった。

 四回は1死三塁のピンチから、陽岱鋼と吉川尚を連続三振で切り抜ける。続く五回は、ストライクゾーンでしっかり勝負できた投球でゼロを並べた。藤浪も「五回にいいなとなって、それで力が入ったというか欲が出たというか…」と手応えを感じていたほど。その内容に、藤浪だから…という指揮官の強い思いも加わっていた。

 前日の試合後に「今年1年、自分が何をすべきかを全て背負って、責任を持って投げてほしい」と話したように、今季の藤浪への期待は大きい。だからこその続投。「今年、チームを背負ってもらわないと困るピッチャーだから。そういう期待を込めてのあれ(続投)だったから」。ベンチが敗戦を背負った。

 もちろん、藤浪にも反省はある。「自分の中でいい球があるだけにすごく悔しいです。ゾーンの中で直球で勝負できているので。考え過ぎたり力んだりがなければ勝負できる」。ベンチの思いが実らなかった結末にも、右腕の中に前を向ける要素は残った。長い1年、今後に生きる一敗となることを信じたい。

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