「ＤｅＮＡ０－２阪神」（５日、横浜スタジアム）

　またも先手を取った。５試合連続での先制点奪取。この日初めて作った好機に、阪神・大山悠輔内野手（２３）がきっちり応えた。積極的なプレーが生んだ最低限の働き。開幕から福留、糸井らが先制パンチを食らわせてきたが、今日は期待の若虎が試合を動かした。

　両軍無得点のまま迎えた四回。連打で作った１死二、三塁のビッグチャンスに、６番・大山が打席に入る。その初球、真ん中に甘く入ってきたチェンジアップに反応。左翼へきっちり犠飛を放ち、三走・ロサリオがタッチアップで生還した。

　布石があった。二回の第１打席に投じられた５球すべてが変化球で苦戦。ボール、見逃しストライク、ボール、空振り、そして遊ゴロに倒れていた。次こそは反省を生かす。「変化球が多かったので、浮いたところを、と思っていた」。狙い通りのボールを初球で仕留めた。

　積極プレーも売りの一つだ。今季の打点はいずれも２球目以内の早いカウントで仕掛けて稼いだもの。金本監督が「積極性が彼のよさだから。いい打点を挙げてくれました」と目を細めれば、「状況的に待っていてもしょうがないので」と大山も言う。何としても先制点を奪う－。この熱意が、チームに連勝を呼び込む決勝点を生んだ。