金本監督「決めないと」ホーム開幕戦で衝撃の結末…セーフティースクイズ失敗で併殺

 「阪神2-3中日」(6日、京セラドーム)

 衝撃の幕切れで阪神が2018年のホーム開幕戦を落とした。1点を追う九回1死三塁。金本知憲監督(50)が選択した策は、梅野のセーフティースクイズだったが、打球は投手正面に転がりダブルプレーでゲームセット…。ただ六回は無死二、三塁で無得点に終わるなど、ほかにも好機はあった。前を向いてきょうこそ勝つ!

 一瞬のうちにゲームは終わりを告げた。金本監督はベンチから、じっと幕が下りたグラウンドを見つめていた。同点にする可能性が最も高いと判断した勝負手、梅野のセーフティースクイズ。これが併殺打という最悪の結末となり、指揮官は悔しさをにじませる。

 「普段、あれだけ決めているからね。セーフティースクイズを。やっぱりあの場面で決めないと」

 場面は1点を追う九回1死三塁だった。ベンチは代打を送って勝負するか、梅野のバント技術にかけるかの選択。出した結論はセーフティースクイズ勝負。三塁走者の大山も足は遅くないが、あえてスペシャリストの植田を代走に送った。

 通常のスクイズではウエストされる危険性がある中、俊足の植田ならセーフティー気味でも生還できる。さまざまなリスクを勘案し、導き出した高確率の一手。当然のごとく相手内野陣も前進守備を敷いてくる。それでも打球がバッテリーのラインを外れ、一塁側か三塁側に転がりさえすれば確実に1点を奪える状況だった。

 しかし結果は…。2ボール1ストライクからの4球目、内角直球を懸命に転がしたが、打球は勢いを失わず投手・田島の正面に転がった。相手の素早いグラブトスで植田は本塁タッチアウト。走りだすのが遅れた梅野も一塁でアウトになった。

 「せめて(投手と一、三塁の)間に転がせていれば…投手も頑張っていたので悔しい。こういう試合で自分が決めないといけない」と梅野は一切、言い訳をしなかった。4日のDeNA戦でも1死二、三塁でセーフティースクイズに成功していた。難しい状況でも自分の技術にかけてくれた信頼に応えきれなかったからこそ、悔しさをにじませる。

 ただ梅野だけを責められない。「あそこやね。一番のポイントは」と指揮官が語ったように、同点の六回無死二、三塁からロサリオ、福留が初球で凡退。大山も遊ゴロに倒れた。

 得点を奪えるチャンスを逃せば、必ず苦しいゲーム展開になる。勝率5割に戻ったホーム開幕戦。梅野が「見返したいというか、取り返したい」と語気を強めたその気持ちが、今は何よりも大切だ。

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