金本監督 開幕星も激怒 「言うに値しない」「これでよく勝てたなと」
「阪神4-3広島」(10日、甲子園球場)
試合後の会見、阪神・金本監督が白い歯をこぼすことはなかった。むしろ唇を震わせ、必死に怒りを抑え込もうとしているようにも映った。「これでよく勝てたなと思うし、こういうプレーをしても勝てるんだと絶対に思わないことですね」という強い言葉が、この試合を象徴していた。
初回からこれでもかとミスが続いた。指揮官が「言うに値しません」と断罪したように、初回無死一、二塁から糸井が放った右翼への大飛球に、二走・高山がタッチアップできなかった。堂林が捕球体勢に入りながら「薄暮で打球を見失ってしまって」と三塁ベースの手前まで到達しており、一、三塁と好機を広げられなかった。
さらに三回も重盗を仕掛けた二走・西岡が途中でストップ。ついて行った一走・糸井が飛び出す形となり、捕手からの一塁送球で憤死した。
「剛があそこで止まるなんて予測がつかないし。(糸井は)責められないですね」と指揮官。ただ五回2死一塁からロサリオが放った右中間フェンス直撃の打球で一走・糸井が生還できなかったことに、「ロサリオの当たりで糸井はかえってこないと。ちょっと抜いて走っていたようにも見えたからね」と厳しく指摘する。
守りでも五回に丸の二ゴロを西岡が処理し、二塁への送球がそれ、併殺崩れの間に3点目を奪われた。「ああいうところですから。それで1点ですからね」。王者・広島との初対戦を前に「当たり前のことを当たり前にやる」とテーマを掲げていた指揮官。勝ったとはいえ、それができなかっただけに怒りは収まらない。
甲子園の開幕ゲームに4万6209人のファンが集まり「選手はこの声援に応えないといけない」と力を込めた指揮官。勝ったとはいえ、プロ野球に足を運んでくれた人にプロのプレーを-。その“原点”を絶対に忘れてはいけない。