藤浪、5回6四球6失点KOで無期限2軍再調整 独り相撲制球難…悪癖再発
「阪神2-8巨人」(20日、甲子園球場)
阪神・藤浪晋太郎投手(24)の無期限2軍再調整が決まった。甲子園では今季初の巨人戦に先発し、5回9安打6失点で今季初黒星。10三振を奪いながら6四球と制球難を露呈し、チームの連勝も3で止まった。試合後、首脳陣は藤浪の出場選手登録抹消を決断。代わりに開幕前に西武からトレードで加入した岡本洋介投手(32)が初昇格する。
銀傘に厳しいヤジがこだまする。5回を9安打6失点、10奪三振と6四球。今季初黒星、藤浪の大乱調で連勝が止まった。変化の兆しが見えた前回登板から一転、制球が定まらない悪癖を再び露呈。試合後、無期限での2軍再調整が決まった。
「初回、二回と先頭の四球がリズムを悪くした要因です」。初回、先頭の坂本勇に対して3連続ボール。4球目にストライクを取ったが、一度もバットを振ることなく四球を与えた。1死二塁からゲレーロ、マギーを連続三振に斬ったのは、いずれもカットボールだった。
最大の武器となる直球は荒れ、続く二回も先頭の岡本にストレートの四球。1死一、二塁から小林に一、二塁間を破られ、先制点を奪われた。イニング間には香田投手コーチが「気合を入れた」と厳しい口調で藤浪を鼓舞。尻上がりの投球を期待したが、四回に3点、五回に2点を失ったところで降板させた。
「よくない晋太郎が出た。先頭打者を取れないし、自分のリズムに持っていけない。バントの構えをされると制球がおぼつかない」
三回には、先頭の吉川尚にセーフティーバントを決められるなど、フィールディングのまずさも狙われた。前回13日のヤクルト戦では7回1失点。ダメなら降格危機にあった一戦で、2四球にまとめるなど制球面の改善も見られた。ゾーンにさえ決まれば打者を圧倒する球を持つ。この日も最速は158キロ。しかし、昨年5月4日以来の白星は遠かった。
試合後に首脳陣は2軍再調整を決断。藤浪は昨季も5月26日のDeNA戦で5回1/3を3失点で敗戦投手となり、翌27日に自身初となる不振での登録抹消となった。その後、ウエスタン10試合で3勝2敗、27四死球で防御率2・51。8月16日の広島戦で1軍復帰登板したが4回2/3を7安打3失点、7四死球で黒星を喫するなど状態は上がらず、再び2度降格を経験した。
2年連続で不振による降格。9連戦を控える中、柱として期待した右腕の離脱。チームの損失は測りしれない。それでも、不可欠な存在であるからこそ2軍から、はい上がるための結果と内容を求める。「しっかりと自分の…バランスですかね」とは藤浪。将来の阪神を背負うべき逸材だ。再出発からの現状打破を皆が待っている。