金本監督、史上最大級の怒り!巨人3タテ食らい5連敗 23日は予定変更で全体練習
「阪神1-10巨人」(22日、甲子園球場)
伝統の一戦で味わう屈辱の大敗に、指揮官の怒りはMAXに達した。今季2番目の4万6237人の大観衆の前で今季初の2桁失点を喫し、2年ぶりに巨人に3タテを食らった阪神。甲子園でやりたい放題のライバルに対し、無抵抗な攻撃とあり得ない守備のミス…。虎戦士の淡泊な戦いぶりに、阪神・金本知憲監督(50)は「いらない、そういう選手は」と一喝した。チームは8日ぶりの借金1。ズルズルいかないためにも立て直してくれ!
何の抑揚もなく3時間の時が過ぎた。現実から目をそらしたくなるような1-10というスコア。伝統の一戦で屈辱の同一カード3連敗を含む対巨人5連敗。金本監督は「ファンの方に甲子園でいい試合を見せて、勝ち越したかったけど、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と唇を震わせる。
1点リードの四回、打者一巡の猛攻を許して一挙4点を奪われた。試合をひっくり返されると、続く五回には岡本に3ランを被弾。ドラフト2位・高橋遥(亜大)が打たれた9安打はいずれも直球かツーシーム。金本監督は「梅野の悪いところが出たでしょ。一辺倒が。曲がり球がほとんどないんだから。全部、外の真っすぐとツーシームだけだから」と厳しく指摘する。
高橋遥の直球は前回ほどの勢いはなかった。だからこそキレのあるスライダーを織り交ぜ、内外角をうまく使ってリードしてほしかった。警戒しなければならない二回り目の入り方で、一回り目と同じ流れで攻めた結果の大量失点。さらにミスも拍車をかけた。
四回には亀井の打球を処理した糸井の返球がそれ、カバーに入ったロサリオがトンネル。失策で傷口を広げた。五回には糸井、福留が落下地点に入り、グラブにボールを当てながらも落球した(記録はともに二塁打)。
「糸原に期待したんだけどね、上本と」と明かしたように1、2番に状態のいい上本と糸原を起用した新打線も機能せず。敗色濃厚となった五回無死一、二塁から糸原が併殺打に倒れて以降は、13打席連続凡退でゲームセットを迎えた。
聖地に流れた消化試合のような空気。それを指揮官が肌で感じたからこそ「選手が悔しい気持ちを持っているか、そこが一番の問題。持っていない選手は使えないと思うし。淡々と終わっているようじゃ使えません。いらないし、そういう選手は」と語気を強める。
「これで淡々と流れに身を任せてしまうのがウチの悪いところだから」と指揮官は言った。悪い流れに歯止めをかけるべく、きょう23日は予定を変更し甲子園で全体練習を行ってから、松山入りすることが決まった。
「引き締めて僕らも行きます」と力を込めた金本監督。もどかしさが充満するチームを戦う集団へ変える。まだ4月-。変わるなら、今しかない。