メッセンジャーさすが連敗止めた!セ単独トップ4勝目 ダイスキ地方で燕料理
「ヤクルト2-4阪神」(25日、坊っちゃんスタジアム)
これぞ“地方の鬼”の真骨頂だ。阪神のランディ・メッセンジャー投手(36)が7回3安打1失点の好投。セ・リーグ単独トップに立つ4勝目を挙げた。これで地方球場では7戦負けなしの6勝目。金本監督も全幅の信頼を寄せるエースがチームの連敗を3で止め、勝率を5割に戻した。
やはり“地方の鬼”だった。今季5度目の先発マウンドに上がったメッセンジャーが、ヤクルト打線を相手に、7回3安打2四球6奪三振で1失点。連敗ストップを託された虎のエースが期待に応え、ハーラー単独トップの4勝目を挙げた。
「投げる時はできるだけ長いイニングを投げようと思ってやっていますし、今日も仕事ができて良かったと思います」
直球を主体にスライダー、カーブを織り交ぜて緩急を駆使。三回までは無安打に抑えた。「どの球種も低く集められたのは良かった」と投手の原点でもある投球で、スコアボードにゼロを並べた。
初安打を許したのは四回。先頭の坂口に中前へ運ばれ、二盗を決められた。1死二塁からはバレンティンに右越え二塁打を浴びて1点を失った。しかし崩れない。最少失点で切り抜けた。
エースの真骨頂は六回だ。1死から坂口に中前打。3番・山田哲を四球で歩かせ、1死一、二塁のピンチ。前の打席で適時打のバレンティンを迎えたが、130キロのスライダーで三ゴロ併殺に料理した。五回以降は1安打。雨天中止のスライド登板の影響を、みじんも感じさせなかった。
チームは先週末に本拠地での巨人戦で3連敗。23日にはシーズン中の月曜日としては異例の全体練習を甲子園で行い、松山へと移動した。そんな重苦しい空気をも吹き飛ばすエースの快投だった。
香田投手コーチは「緩急も上手に使っていた。(連敗ストップに)さすがですね。要所要所でギアが上がる」と目尻を下げ、金本監督も「これがピッチングというね。『ザ・ピッチャー』という投球というか」と低めを丁寧に突く右腕の投球に最敬礼だ。
これで地方球場は7試合に登板して無傷の6勝目だ。松山での前回登板(13年5月10日・ヤクルト戦)では完封勝利を挙げているだけに「マツヤマダイスキネ」と笑顔がはじける。月間MVPの可能性にも「チャンスはあると思う」。松山で躍動した虎の大黒柱が、チームを再び加速させる1勝をもたらした。