ロサリオ20戦ぶり特大V2号 3タテ阻止弾ぶっ飛ばした~

 「広島2-4阪神」(30日、マツダスタジアム)

 阪神のウィリン・ロサリオ内野手(29)が同点の延長十回、左中間に決勝の2号2ランを放ち、連敗を2で止めた。開幕3戦目の巨人戦以来、実に20試合ぶりの一発だったが、破壊力と効果はバツグン。1日からは甲子園でDeNAとの3連戦。聖地初弾、待ってまっせ-。

 勝負の神様はもう一度だけ、ロサリオにチャンスを与えた。何もできずに5タコで終わるか、名誉挽回の一撃を放つか。延長十回、この1打席で今後の運命は決まる-。自ら“ラストチャンス”と追い込んでいた事実を、緊迫の表情でダイヤモンドを回った姿がまざまざと示していた。

 「うまくいかないこともあったけど、それを自分の中でリセットして」と言ったロサリオ。初回にファウルフライを見失い、三回はファウルフライを落球した。直後に岩貞は痛打された。失点にこそ結びつかなかったが、取り返そうという思いが打席でことごとく空回った。

 力みすぎて明らかにスイングは鈍った。選球眼も狂った。九回までの4打席で3三振を含む4タコ。「見た限りは打てる雰囲気なかったけどね。本当に土俵際でね」と指揮官が明かしたように、チーム内の立場、4番の信頼、すべてを失いかねなかった。

 そんな中、迎えた同点の延長十回1死一塁の第5打席。カウント1-2と追い込まれたところで「それも野球の一部」と過去をすべて振り払った。4球目、「この球だけを待っていた」と高めの直球を完璧に振り抜くと、打球は美しい放物線を描いて左中間スタンドに消えていった。

 決勝の2号2ラン。巨人との開幕第3戦以来、88打席ぶりの一発に「長かったけど、感触がよかったので、いつか出ると思っていた」とロサリオ。チームの同一カード3連敗を阻止。新天地で失いかけた居場所も取り戻した。

 「契約が切れれば、次は日本でプレーしたい」-。2016年オフ、ハンファで指揮を執っていた金星根監督にロサリオはこう伝えた。日本で指導者経験がある恩師は、投手のレベル、配球、全く異文化の野球であることを伝えると同時に、こう活躍のヒントをドミニカンに授けた。

 「ルールを守って、誠実に取り組む。マジメに野球と向き合う」。結果が出なくても、その言葉を練習姿勢で示すロサリオがいた。誰よりも真摯(しんし)に取り組むからこそ、首脳陣の信頼、仲間の信頼は決して揺るがなかった。

 苦しんだ4番の一発でもぎ取った4月最後の白星。それはチームにとっても、自身にとっても間違いなく、ターニングポイントになるはずだ。

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