上本 猛打賞&2打点 口火打もトドメ1号ソロも!
「阪神7-1DeNA」(1日、甲子園球場)
大歓声と浜風に押された白球は、左翼方向へ放物線を描いた。上本が打球を見つめながら一塁へ全力疾走する。着地点を確認しても、表情を緩めることなく、ダイヤモンドを一周した。
「1番・二塁」で先発出場し、今季初本塁打を含む3安打の猛打賞。切り込み隊長が気迫を見せた。6-0で迎えた六回だ。1ストライクからの2球目。三嶋の真ん中低め、127キロスライダーを捉えた。相手を意気消沈させる一発。42打席目での今季1号ソロでトドメを刺した。
最後のひと押しが欲しい場面で飛び出したアーチ。金本監督は「ホームランで7点目だったけど、あれできょう秋山が1人でいけると思ってね。そう確信できたホームランでしたね」と称賛した。右腕の完投を援護する大きな追加点となった。
上本の快音から始まった圧勝劇だ。先頭で打席を迎えた初回、今永の直球を左中間へ運び二塁打とした。「チームに勢いをつけてくれる長打をね。きのう(4月30日)の勢いそのままにいってくれました」と片岡ヘッドコーチ。打線がつながり、この回3得点で試合の主導権を握った。
打撃は好調。二回には中前打を放ち、四回には中堅への犠飛で加点した。サイクル安打も視界に捉えたが、七回の守備で鳥谷と交代。お役御免となった。
プロ10年目。昨年11月には右足首の手術を受けたが、焦ることなく開幕に照準を合わせた。年明けには、鳴尾浜で若手選手らに交じって練習。「できることをやっていく」と一歩一歩、着実に完全復活を目指した。体が資本となる野球選手。試合前には入念にストレッチし、時には逆立ちをして体の状態を整えることもある。
試合後は足早に引き揚げた上本。結果に満足することなく、チームのために貢献し続ける。